資格取得後の働き方と給料

呼吸器系疾患や嚥下(えんげ)障害をもつ高齢者が増え、介護施設や居宅サービスなど、あらゆる介護現場で、痰の吸引などの処置を必要とする要介護者が増加しています。そのため、喀痰吸引等研修の資格を持つ介護職員の需要は年々高くなっています。

研修修了が認定されれば施設で働くだけでなく、訪問介護でも喀痰吸引や経管栄養が必要な利用者にサービスを提供でき、活躍の場が広がります。

 

研修を修了したからといって、どこの職場でも痰吸引や経管栄養を行なえるのではなく、「登録喀痰吸引等事業者」として登録されている施設・事業所でのみ行なえます。

資格はお給料に反映されるの?

実際に賃金がどこまで反映されるのか、気になっている方も多いことでしょう。
キャリアアップするうえで、介護職員の給料は資格の有無によって差が付くかどうかは、とても大切なことです。
保有資格に対する手当は施設によって待遇は異なりますが、賃金に反映されるところが多いようです。

今後、政府の動きに合わせ、介護職においては保有資格をはじめとする賃金の見直しが益々加速することになるでしょう。
以下、保有資格別の平均給与額を紹介しますので、参考にしてください。

■保有資格別の平均給与額

資格 平均勤続年数 平均給与額(平成29年9月)
保有資格あり 7.4年 95,730円
介護福祉士 8.2年 307,100円
実務者研修 6.9年 285,180円
介護職員初任者研修 6.5年 276,450円

※出典:厚生労働省「平成29年度介護従事者処遇状況等調査結果」

資格 平均勤続年数 平均給与額(平成29年9月)
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主な活躍の場としては、介護老人保健施設、障害者福祉施設、特別養護老人ホーム、訪問介護事業所などがあります。

痰吸引や経管栄養は今後、幅広い分野での活躍が期待できるスキルです。

さまざまな施設や事業所で必要とされており、介護職員に対するニーズも高まりつつあります。

取得後は以下のような職場で活躍できるでしょう。

訪問介護事業所

介護職員が要支援1、2、要介護1~5の利用者の自宅を訪問し、入浴・排泄・食事などの身体介護・洗濯・掃除などの生活援助を提供する事業を行なう事業所です。利用者が住み慣れた自宅で、できるだけ自立した生活を送れるようにお手伝いします。

障害者福祉施設

常時介護が必要で、自宅での生活が難しい18歳以上の障害者を対象とした施設です。知的障害者・発達障害者・身体障害者とさまざまな人が入所し、社会復帰や自立支援を目指しています。利用者の身体介護・健康管理・生活支援・レクリエーションといった介護サービスを提供するなど、幅広いスキルや知識が求められる職場です。

介護老人保健施設

要介護1~5の65歳以上の高齢者を対象とした施設で、病気やケガなどで入院してから退院し、自宅での生活が困難な場合、一定期間入所して在宅復帰を目指します。介護士は利用者の身体介護・生活援助・レクリエーションに携わり、医師や看護師などの専門スタッフと連携しながらサポートします。