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介護施設・保育園・福祉施設・在宅で
最も取得したい研修が喀痰吸引等研修

介護の支援策をより有効活用するために整備中の「介護生産性向上総合相談センター」とは
著者/監修プロフィール

株式会社プレゼンス・メディカル 創業会長兼CEO今西和晃
/ Tomoaki Imanisih

医療、健康、教育、環境など、多岐にわたる分野での社会貢献を目指し、プレゼンス・メディカルを設立。日本の医療・介護分野において「技術の革新」をキーワードに、数々の新しいケアプロトコルを生み出し、業界に貢献している起業家である。M&Aやベンチャーキャピタルの分野で多数の事業を手掛け、その経験と知識を活かして、日本の介護業界にイノベーションをもたらすプレゼンス・メディカルを設立しました。
同社のCEOとしても活躍し、研修や喀痰吸引に関するコラムを通じて、事実に基づいた医療的ケアの意義や役割を啓蒙している。その知見は、今後の介護業界の発展に大きく貢献することが期待される。
2014年から500施設以上の施設経営者と直接対面を行い、現場における課題解決に向けた対談多数。公益社団法人 全国老人福祉施設協議会でのセミナーを全国28都道府県で実施。

2023.01.19

介護の支援策をより有効活用するために整備中の「介護生産性向上総合相談センター」とは

近年高齢化が著しい我が国ですが、令和22年ごろに65歳以上の高齢者の人口がピークを迎えるとされています。そのような状況で人手不足が心配されるのが介護職です。

介護職は、多くの人が必要とする一方で担い手が少なく、人材確保が難しくなっています。このような状況を打開するために生産性を向上させるための取り組みを充実させるのは非常に重要な課題となっています。

厚生労働省は以前から地域医療介護総合確保基金を通じて介護ロボットなどの導入の助成を行ってきました。しかし、介護業界対して行わなければならない支援は、近年発達してきたロボットやセンサーなどのテクノロジーの導入、人員配置、介護職員の業務の最適化、新しい人員の採用など多岐にわたります。

現状はこれらの一つ一つの支援メニューごとに実施している団体が違ったり、対応する窓口が違ったりしていて、事業者が支援を受けることへの大きなハードルとなっていました。

そこで介護事業者に対する支援の手続の煩雑さやわかりにくさを解消するために厚生労働省が整備を進めていくことになったのが「介護生産性向上総合相談センター(仮称)」です。

多岐にわたる介護事業者へのアドバイスや支援を包括的、一体的に実施し、各事業者の実情やニーズを把握し、適切な施策につなぐのが目的となっています。

「介護生産性向上総合相談センター(仮称)」はいつできる?どのようなことをする?

「介護生産性向上総合相談センター(仮称)」はいつできる?どのようなことをする?

厚生労働者2023年度から数年かけて「介護生産性向上総合相談センター」を全都道府県に新設するとしています。

このセンターの設立の目的の一つとして介護事業のICT化が挙げられます。ICTとはInformation and Communication Technologyの略で日本語で情報通信技術という意味です。

たとえば日々の業務の情報(利用者の健康状態、実施した処置の記録、職員の出勤の状況など)をタブレットで管理したり、センサーを用いて施設利用者の生体情報を管理したり、事業所同士でケアプランを共有・連携したりといったことに役立てられます。

ICT化により業務を効率化することで、介護職員の負担を減らし介護業界の生産性が大きく改善することが期待できます。

しかし、介護事業のICT化にはさまざまなハードルが存在します。

一つはICT化のための機材の導入です。一から導入するには大きなコストがかかります。パソコンやタブレット、センサー類、介護ロボットを導入する必要がありますし、それらを適切に運用するためには施設内の物の置き場などのレイアウトも変える必要があります。

導入のコストについては厚生労働省地域医療介護総合確保基金による助成が行われています。しかしコストの問題が解決してもICT化にはハードルがあります。

単に機器があるだけでは有効に活用できません。導入した機器を使いこなしその使い方を周りに伝える人材を確保する必要があります。研修会なども行う必要がありますし、機材を導入する前に試用機器の貸出も必要になります。また事業所ごとに従来の業務内容や人員配置にばらつきがあり、それらを見直すための取り組みもばらつきがあります。

現状はこれらの支援の実施主体や窓口が異なり、手続きが煩雑になっています。

そのため機器導入への支援は受けられることがわかっているもの、それを有効活用するための支援が受けられず導入を断念するという状況も存在しているのです。

そこで介護生産性向上総合相談センターが介護ロボットの導入に向けた擬行書ごとの課題の把握のための支援や、導入後の助言を行い、地域の特性(人口の多い都市や少ない都市、高齢者が多い都市など)に応じた支援策を検討します。

またICT化に関心のある事業所には研修会を行ったり機材を貸し出して、介護業界のICT化けるを促進していくのです。

人材確保の面では地域の福祉人材センターやシルバー人材センターなどと連携して介護助手を確保を担います。介護助手を充実させることで介護の専門資格を持つ職員がその専門性を活かした業務に集中する環境を整えるのです。

まとめ

今回は2023年から厚生労働省が整備を進めている介護生産向上総合相談センターについて解説をしていきました。

高齢化が進む我が国ではますます介護職の需要が増大していくことが予想されます。しかしそれに反して介護職員のなりては少なくなっています。

介護職員を増やす取り組みも重要ですが、現状の介護業務を効率化し人材不足を解消していく取り組みが重要になります。

特に重要なICT化については、事業所ごとに動きが異なり、ICT化の推進に成功する事業所と失敗する事業所では労働環境に大きな差が出ることになります。

介護職員が最善の環境で働くことができるような支援を十分に受けるために今後の情報をチェックし、介護生産向上総合相談センターを活用していきましょう。

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2025年に向け必要とされている
介護職員の医療的ケア。

2025年に向け必要とされている介護職員の医療的ケア。
介護施設・保育園・福祉施設・在宅で医療的ニーズのある利用者が今後さらに増えています。
利用者が安心した生活を過ごせるように、 喀痰吸引等の資格取得が必要です。
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