喀痰吸引の時に使う吸引機はどんなもの?吸引の手順も解説します。
喀痰吸引等研修を行うことで介護職員でも実施可能な医療行為である喀痰吸引。今後多くの人が行うようになり、医療や介護の現場で働く人にとっては必須の手技となることが予想されます。こんかいは喀痰吸引機を使った喀痰吸引の手順についてみていきましょう。
喀痰の吸引機とは?
喀痰吸引機は吸引用の管(吸引カテーテル)を接続してその管を使って喀痰を除去するための装置です。吸引した喀痰は喀痰吸引機のタンクに溜まります。つまり掃除機のような仕組みで喀痰を吸い取る機械のことを言います。
喀痰吸引の時に用意するもの
喀痰を吸引するためには喀痰吸引機以外にも用意するものがたくさんあります。
まず、感染対策のために準備するものを見てみましょう。
感染対策に必要な物品
手袋 ゴーグル マスク エプロン
喀痰吸引の際には利用者さんの口や鼻、気切カニューレに吸引カテーテルを挿入します。飛沫が飛んだり、エアロゾルが発生します。その中にはウイルスや細菌が存在していることが考えられるので、喀痰吸引を行う人はしっかりと感染防御策を取る必要があります。
喀痰吸引を行うのに必要な物品は以下の通りです。
吸引機 吸引カテーテル アルコール綿 水の入ったコップ カテーテル保存用の容器
これらの物品を使ってカテーテルによる吸引を行います。次の項目で詳しく吸引機を使用した吸引の手順について解説をしていきます。
喀痰吸引の手順を確認
喀痰吸引の手順を確認しましょう。
一番最初に行うことは手技を実施する人の感染対策です。手をしっかり洗ってから手袋・ゴーグル・マスク・エプロンを着用します。自分の身を守るという意味もありますが、喀痰吸引を実施した利用者さんから出た病原体をほかの利用者さんにうつしてしまわないためにも感染対策は重要なのです。
感染対策をしたらこれから手技を行う利用者さんに声かけをして喀痰を吸引することをつたえ、本人の様子を観察します。口や鼻からカテーテルを入れて吸引することになるので、口や鼻の状態を確認し乾燥していないか、出血していないか、腫れなどはないか確認しましょう。
この時にカテーテルが入りやすい体制を整えるのも手技をスムーズにするためには重要です。顎を少し上げてカテーテルが入りやすい体制にしてから手技を開始しましょう。
次は吸引機の準備です。吸引カテーテルをチューブに繋ぎます。利用者さんの口や鼻に入るものなので落としたり、周囲の物に触れて不潔になるようなことがないように注意しつつ取り扱ってください。吸引機の電源をつけて、コップの水を吸って吸引がかかっているかをチェックしたら、吸引圧を医師や看護師の指示した圧力に合わせます。
カテーテルは水をしっかりきって、アルコールで根本から先端まで消毒したら準備は完了です。
いよいよ吸引の主義に入ります。必ず利用者さんに今から吸引することに関しての声かけをしてから吸引を開始します。
カテーテルの先端から10cm程度の場所を持って利用者さんの鼻や口から挿入していきます。このときカテーテルの根元を押し曲げて吸引がかからないようにして入れていきます。
挿入したらカテーテルを押し曲げている手を離して吸引をかけながらカテーテルを抜いていきます。吸引されてくる喀痰の量や性状を見ながら吸引しましょう。特に出血などがないかがしっかり見ていきましょう。
吸引は長い時間をかけすぎると利用者さんが苦痛を感じたり呼吸状態が悪くなることがあります。一回の吸引は15秒以内に行うことを心がけましょう。
吸引が終わったら再び水を吸引してカテーテル内部を洗浄し、アルコール面で外側も綺麗にして陽気に保存します。
吸引機はどのように選ぶ
吸引機を選ぶポイントは、吸引圧・流量、ボトル容量、本体の重さなどがあります。
気管切開や粘性の痰を吸う場合には吸引圧が強い機種を選びます。ボトル容量は大きい方が喀痰を捨てる手間が省けますが、その分重量が大きくなり価格も高くなる傾向がありますので、吸引の頻度などを考慮して選択する必要があります。
もし利用者さんが出かける場合は300mlだと短時間のお出かけに対応でき、500mlだと1日のお出かけに対応できると勘がられます。700mlを超えるとよほど喀痰量が多日以外は大抵対応できます。
重量について、簡単に持ち運べるのは1.5kg-2kg程度です。それより重くなるとずしっと重さを感じるので人によっては持ち運びが辛くなります。これらを目安にどんな機種が現状必要かを考えましょう。
まとめ
今回は喀痰吸引を実施する際の手順や喀痰吸引機について解説していきました。
喀痰吸引は実際どのように行われているのかについて確認しておくことで喀痰吸引等研修などの実習をスムーズに行うことができます。準備物などをしっかりと確認しておきましょう。
また吸引機の導入に際しては必要な機能をしっかりとチェックして利用者さんにあったものを選ぶようにしましょう。