2024年介護報酬改定、喀痰吸引等研修と医療的ケアが注目を浴びる
喀痰吸引等研修と医療的ケアが注目を浴びる
2024年に実施された介護報酬改定は、喀痰吸引等研修及び医療的ケアを行う介護スタッフに大きな示唆を与えました。
改定の一環として、医療的ケアの報酬が見直され、ケアスタッフの役割や技術が再評価されています。それは医療と介護の結びつきが強まる現状を反映し、特に高度な技術を必要とする「喀痰吸引」のような作業については、その技術と専門性が評価される形となりました。
一方で、研修を受けてもなお困難を感じるスタッフがいる一方で、現場でのスキルアップが求められます。
この背景には、全体的なパーソナルキャリアの発展、それと並行して多様化する利用者ニーズに対応するため、さらなる専門性を求められているからです。 そのため、喀痰吸引等研修を見直す動きもあたえられました。初の試みとして、これらの研修内容をより専門性が高まるように改良するプログラムが推進されています。
現場で直面する高齢者の具体的なケースを取り扱い、問題解決能力を育むことが目標とされています。 また、改定を受けて地域での連携も一層重要視されています。医療機関との協力強化を通じて、在宅での医療的ケアをもっとスムーズに進めることも、介護サービスの質を高める重要な要素となります。
そして何より、これらの取り組みが最終的には利用者の皆様のケア体験を改善し、より良いサービスを提供することが可能となります。
喀痰吸引等研修にも注目
【2024年介護報酬改定のポイント】
2024年4月の介護報酬改定で、喀痰吸引等研修関連サービスはどう変わるのでしょうか。改定の重点事項を喀痰吸引等研修と医療的ケアに着目して解説します。
訪問看護ステーションの基準緩和
人員基準の緩和により訪問看護ステーションの設置が促進されます。医療的ケアサービスの安定的な提供につながる改定です。
生活施設への医療的ケア体制整備
共同生活住居での医療的ケアが推進され、対象サービスが拡大しました。研修修了者の活躍の場が広がることが期待できます。
口腔・経管栄養での加算拡充
口腔ケアの実施率向上を図るため、経管栄養を受けている高齢者も口腔ケア加算の対象に追加されました。口腔ケアは誤嚥性肺炎の発生リスクを低減する等、医療的ケアと関連性が高い領域です。この改定で医療的ケアに関わるサービス評価が大きく改善されることが予想されます。
訪問介護サービスの医療的ケア加算が拡充
2023年4月に新設された訪問介護サービスの医療的ケア加算が、内容を大幅に拡充し2024年4月からの本格的な運用開始が決定しました。訪問介護における医療的ケアの必要性と期待の高まりを象徴する動きです。
有料老人ホーム等の見直し議論も注目
今回の医療的ケアに関する改定議論の中で、有料老人ホームやサ高住等の高齢者施設における医療ニーズへの対応可能性にも言及が見られました。現状制度上の制約はあるものの、今後の動向にも要注目です。
小規模多機能型居宅介護の取り組みも加速へ
小規模多機能型居宅介護はこれまで医療的ケアに対する取り組みが遅れ気味でしたが、報酬面での評価が追加されることで本格参入が後押しされることが期待されています。
このように、2024年度の介護報酬改定では医療的ケアを支える多くのサービスが加算や人員配置基準などの面で見直され、喀痰吸引等研修認定者をはじめとした医療的ケア提供に係る職員の活躍領域がさらに広がっていくことが予想されます。
喀痰吸引等研修認定者も活躍できる領域がより一層広がります