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介護付き有料老人ホームとは?設置基準や使える補助金を解説
著者/監修プロフィール

株式会社プレゼンス・メディカル 創業会長兼CEO今西和晃
/ Tomoaki Imanisih

2014年に介護施設向け研修事業を設立し、これまでに全国12,000施設以上の実績を誇ります。500以上の施設経営者と直接対話し、現場課題の解決に尽力。2023年からはAIを活用した介護保険外事業やDtoCヘルスケア事業を開始し、2027年からの世界展開に向けて精力的に活動中。業界に革新をもたらし、介護とヘルスケアの未来を切り拓いています。

2025.06.11

介護付き有料老人ホームとは?設置基準や使える補助金を解説

要約:
介護付き有料老人ホームは、有料老人ホームの一種で、介護保険上「特定施設入居者生活介護」の指定を受けた施設を指します。施設職員が介護サービスを提供し、介護が必要になっても居室での生活を継続できます。人員・設備・運営基準は厚労省により定められており、開設には届け出が必要です。また、設置者には経営基盤や介護知識を有する人材が求められます。補助金の対象は限定的ですが、自治体による支援制度がある場合もあります。

介護事業所を運営していて、お金に余裕がある利用者向けに介護付き有料老人ホームを開設できればと考えているけれど、何からはじめてよいかわからず困っている人はいませんか?この記事では、介護付き有料老人ホームの人員配置基準から使える補助金まで詳しく解説します。

介護付き有料老人ホームとは

有料老人ホームとは老人福祉法第29条1項に規定された、都道府県知事等へ届け出ることで設置が可能な施設です。
有料老人ホームには以下の4つの種類があります。

項目

概要

介護付き有料老人ホーム 

(一般型特定施設入居者生活介護)

l   介護などのサービスがついた高齢者向けの居住施設

l   介護が必要になっても介護付き有料老人ホームの職員が提供する特定施設入居者生活介護を利用しながら居室で生活を続けられる

介護付き有料老人ホーム

(外部サービス利用型特定施設入居者生活介護)

l   介護などのサービスがついた高齢者向けの居住施設

l   介護が必要になっても介護付き有料老人ホームが委託した介護事業所が行う特定施設入居者生活介護を利用しながら居室で生活を続けられる

住宅型有料老人ホーム

l   生活支援などのサービスが付いた高齢者向けの居住施設

l   介護が必要となった場合訪問介護などの介護サービスを利用しながら居室で生活を続けられる

健康型有料老人ホーム

l   食事などのサービスがついた高齢者向けの居住施設

l   介護が必要となった場合契約を解除し退去しなければならない

介護付き有料老人ホームとは有料老人ホームの種類の1つで、特定施設入居者生活介護の指定を受けた施設を指します。

介護付き有料老人ホームと住宅型有料老人ホームの違いは、特定施設入居者生活介護の指定を受けているかどうかです。

同じ有料老人ホームでも定義や提供するサービスが少しずつ異なるのを理解しましょう。

介護付き有料老人ホームと混同されやすい言葉

また、介護付き有料老人ホームと混同されやすい言葉がいくつかありますが、それぞれとの違いは以下の通りです。

項目

概要

介護付き有料老人ホーム

(特定施設入居者生活介護)

l   介護保険サービスの1

l   利用者が自立した日常生活を送れるようになるのを目指して食事や入浴などの日常生活上の支援や、機能訓練などを提供する施設

特別養護老人ホーム

(介護老人福祉施設)

l   介護保険サービスの1

l   利用者が在宅で生活できるようになることを目指して入浴や食事などの日常生活上の支援や、機能訓練、療養上の世話などを提供する施設

老健

(介護老人保健施設)

l   介護保険サービスの1

l   利用者が在宅で生活できるようになることを目指してリハビリテーション、医療、介護などのサービスを提供する施設

サービス付き高齢者向け住宅

l   高齢者の居住の安定確保に関する法律第5条に規定された、都道府県知事等に登録を行った高齢者向けの賃貸住宅

グループホーム(認知症対応型共同生活介護)

l   介護保険サービスの1

l   認知症の利用者を対象にした専門的なケアを提供するサービス

言葉の持つイメージからいずれも高齢者が住むための住宅を指していると勘違いしがちなため注意しましょう。

参考:厚生労働省「高齢者向け住まいについて」

参考:厚生労働省「有料老人ホームの類型・表示事項」

介護付き有料老人ホームの設置基準

介護付き有料老人ホームの人員基準、設備基準、運営基準は厚生労働省ホームページの「有料老人ホームの設置運営標準指導指針について」に記載があるため、それぞれの内容をご紹介します。

介護付き有料老人ホーム人員基準

介護付き有料老人ホームの人員基準は以下の通りです。

項目

概要

必ず配置しなければならない職員

l   管理者

l   生活相談員

l   栄養士

l   調理員

提供する介護サービスの内容に応じて配置する職員

l   介護職員

l   看護職員(入居者の健康管理に必要な人数とし、看護師の確保が困難な際は准看護師も可)

l   機能訓練指導員

l   管理者、その他の介護サービスの責任者

(夜間の介護、緊急時に対応できる数の職員数で、入居者の実態に応じて人数は変更可)

特別養護老人ホームや老健のように人数が決められているわけではなく、入居者の実態に応じて変えられるのが特徴的だと言えるでしょう。

介護付き有料老人ホームの設備基準

介護付き有料老人ホームの設備基準は以下の通りです。

項目

概要

建物

l   入居者の快適な日常生活に支障のない規模・構造設備とする

l   建築基準法27条における耐火建築物か準耐火建築物とする

l   建築基準法や消防法に定められた避難設備、消火設備、警報設備や事故・災害に対応するための設備を設ける

l   国土交通省の「高齢者が居住する住宅の設計に係る指針」を踏まえた設計とする

l   建物の配置や構造は入居者の保健衛生に配慮したものとする

居室

l   一般居室

l   介護居室(介護サービスをするための居室)

l   一時介護室(一時的な介護サービスをするための居室)

設備

l   浴室

l   洗面設備

l   便所

(居室に設置するか、共同の場合すべて入居者が利用できる数を設ける)

共同設備

l   食堂

l   医務室または健康管理室

l   看護・介護職員室

l   機能訓練室

l   談話室または応接室

l   洗濯室

l   汚物処理室

l   健康・生きがい施設(スポーツ、レクリエーション等のための施設、図書室その他の施設)

l   事務室、宿直室その他の運営上必要な設備

耐火建築物と準耐火建築物とは、建築基準法において定められた耐火・防火性能が高い建築物のことを指します。

一方「高齢者が居住する住宅の設計に係る指針」では、高齢者の心身の機能が低下してもそのまま住み続けられるようにするための、一般的な住宅の設計上の配慮事項が示されています。

「有料老人ホームの設置運営標準指導指針について」には居室の寸法や既存の建物を使う場合の特例なども記載されているため、内容を必ず確認するようにしましょう。

介護付き有料老人ホームの運営基準

「有料老人ホームの設置運営標準指導指針について」では、介護付き有料老人ホームの運営基準について、次のように定めています。

項目

概要

管理規程の制定

管理規程では以下の内容を定める

l   入居者の定員

l   利用料

l   サービスの内容

l   入居者の費用負担

l   介護をする場合の基準

l   医療サービスが必要な場合の対応

名簿

緊急時対応をスムーズにするため、入居者と身元引受人の氏名、連絡先を記載した名簿を作成する

帳簿

老人福祉法第29条第6項に定めにより、以下の内容を記載した帳簿を作成して2年間保存する

l   修繕と改修の実施状況

l   入居者が負担する前払い金、利用料、その他の負担金の受領記録

l   入居者に行ったサービスの内容

l   緊急時に行った身体拘束の内容

l   提供したサービスに対する入居者と家族からの苦情

l   提供したサービスによる事故とそれに対する処置の内容

l   サービス委託先の名称、所在地、契約内容

l   設備、職員、会計、入居者の状況

個人情報

個人情報保護法に基づく「医療・介護関係事業者における 個人情報の適切な取扱いのためのガイダンス」に沿った取り扱いを行う

業務継続計画

l   業務継続計画を「介護施設・事業所における新型コロナウイルス感染症発生時の業務継続ガイドライン」「介護施設・事業所における自然災害発生時の業務継続ガイドライン」を参考に策定する

l   職員に対し業務継続計画について周知し定期的に研修を行う

l   業務継続計画を定期的に見直し、変更を行う

非常災害対策

l   非常災害に対する計画を立てて職員に周知し、定期的に避難訓練を行う

l   訓練には地域住民にも参加してもらう

衛生管理

l   感染症の予防及びまん延の防止のための対策を検討する委員会を半年に1回程度行い職員に内容を周知する

l   感染症及びまん延の防止のための指針を整備する

l   職員に対して感染症の予防及びまん延の防止のための研修及び訓練を定期的に行う

緊急時の対応

l   非常災害対策や衛生管理以外の緊急時にも対応ができるように計画を立て、定期的に訓練をする

医療機関との連携

l   入居者の体調急変を想定し、医療機関との協力内容について取り決めておく

介護サービス事業所との関係

l   近隣の介護サービス事業所の情報提供を行う

l   特定の介護サービス事業所との契約を誘導しない

l   入居者の希望する介護サービスの利用をさまたげない

運営懇談会

l   管理者、職員、入居者で構成される運営懇談会をする

帳簿を作成する際、入居者に行ったサービスは以下の6項目にわけられます。

  • 入浴、排せつ、食事の介護
  • 食事の提供
  • 洗濯、掃除などの家事サービス
  • 健康管理サービス
  • 安否確認、状況把握サービス
  • 生活相談サービス

詳細は「有料老人ホームの設置運営標準指導指針について」に記載があるため、運営について不明な点があれば内容を確認しましょう。

参考:厚生労働省「有料老人ホームの設置運営標準指導指針について」

介護付き有料老人ホームを経営する前にしておきたいこと

介護付き有料老人ホームを経営する前にしておきたいことを3つご紹介します。

設置前に届出をする

介護付き有料老人ホームを経営するためには、設置前に老人福祉法第29条に基づいた届出をする必要があります。

届出には以下の内容を記載しなければなりません。

  • 施設の名称
  • 施設の設置予定地
  • 設置者の氏名と住所または名称と所在地
  • その他厚生労働省令で定める項目

仮に届出をしなかったとしても、介護付き有料老人ホームとして取扱自体はされます。

しかし「有料老人ホームの設置運営標準指導指針について」には以下の記載があります。

  • 建物や設備の内容が基準に適合しないから届出をしない介護サービス事業者が存在するが、基準に適合しなくても届出義務がある
  • 老人福祉法の観点から有料老人ホームの運営を適切に行うのを目的として届出があるため、事業者に対しては指導を徹底する

これらのことから、介護付き有料老人ホームを経営したいと考えるなら必ず届出をするのが望ましい対応だと言えるでしょう。

参考:e-GOV法令検索「老人福祉法」

参考:厚生労働省「有料老人ホームの設置運営標準指導指針について」

設置者の条件を満たすか確認する

「有料老人ホームの設置運営標準指導指針について」には有料老人ホームの設置者の条件が以下のように記載されています。

  • 老人福祉施設と異なり必ずしも地方公共団体や社会福祉法人でなくてもよい
  • 公益法人が経営する場合は、必ず主務官庁の承認を得ること
  • 事業を確実に行える経営基盤が整い、社会的信用が得られる経営主体であること
  • 個人や少数の個人株主などによる独断専行的な経営が行われない環境にあること
  • 他の事業を行っている場合はその財務内容が適正なこと
  • 有料老人ホーム経営の知識・経験がある人が役員として参加すること
  • 介護サービスも行う場合は高齢者介護の知識・経験のある人が役員として参加すること

介護付き有料老人ホームの場合は介護サービスも行うため、高齢者介護に携わったことのある人も役員として必ず参加してもらわなければなりません。

健全な経営をし、利用者が安心できるサービスを提供し続けるためにも、あらかじめ上記の条件をすべて満たすよう準備することが大切です。

参考:厚生労働省「有料老人ホームの設置運営標準指導指針について」

補助金・助成金・給付金が使えないか確認する

介護付き有料老人ホームの場合、基本的には国の補助金の対象外です。

しかし、地方自治体では独自に補助金・助成金・給付金などの制度を設けている場合もあります。

例えば東京都の場合、独自の「介護専用型有料老人ホーム整備費補助制度」があり、条件を満たせば補助金を受け取ることができます。

満たさなければならない条件は以下の通りです。

  • 区市町村長が介護付き有料老人ホームの整備が必要だと認めている
  • 定員が30人以上(広域型)である
  • 東京都有料老人ホーム設置運営指導指針を守って運営する
  • 補助金を受け取らない場合と比較すると、家賃・前払金が低水準となっている
  • 入居者の要介護度が「都が定める基準」以上である

東京都有料老人ホーム設置運営指導指針とは、東京都において有料老人ホームを運営する場合に守ってほしい事項をまとめたものです。

また都が定める入居者の要介護度の基準ですが、「全入居者の半数以上が要介護3以上」「全入居者の平均要介護度が3以上」のいずれかを満たさなければなりません。

上記の条件は施設を開設した後も永続的に満たす必要があり、要件を満たせなくなると補助金を返還しなければならないのも覚えておきましょう。

補助金申請の流れは次の通りです。

  • 区市町村への事前協議
  • 整備計画の具体化
  • 補助協議書の提出
  • 現地確認
  • 審査要領に基づく確認
  • 審査基準に基づく確認

必要な書類や手続きを怠ると補助金を申請できなくなるため、必ずホームページで詳細を確認しておきましょう。

まずは自分が介護付き有料老人ホームを経営したい地域の補助金・助成金・給付金制度について確認し、必要であれば取得するための手続きを行ってみてください。

参考:東京都福祉局「介護専用型有料老人ホーム整備費補助制度の概要」



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まとめ

介護付き有料老人ホームは、特定施設入居者生活介護の指定を受けた施設で、介護が必要となっても職員または委託事業者がサービスを提供し、居室での生活を継続できる特徴があります。住宅型・健康型との違いや、特養、老健、グループホームとの区別も重要です。設置にあたっては厚生労働省による人員・設備・運営基準を満たす必要があり、届け出も義務づけられています。設置者は経営基盤や介護分野の知識が求められ、補助金は原則対象外ですが、自治体による支援制度が活用できる場合もあります。開設を目指す際は制度を正しく理解し、適切な運営体制と持続可能な仕組みづくりが重要です。株式会社プレゼンス・メディカルでは、AIを活用した業務効率化支援も行っており、経営の差別化に貢献します。


本記事は発表当時のデータに基づき、一般的な意見を提供しております。経営上の具体的な決断は、各々の状況に合わせて深く思案することが求められます。したがって、専門家と話し合いながら適切な決定を下すことを強く推奨します。この記事を基に行った判断により、直接的または間接的な損害が発生した場合でも、我々はその責任を負いかねます。

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2025年に向け必要とされている
介護職員の医療的ケア。

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