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介護におけるシフト作成とは?
著者/監修プロフィール

株式会社プレゼンス・メディカル 創業会長兼CEO今西和晃
/ Tomoaki Imanisih

2014年に介護施設向け研修事業を設立し、これまでに全国12,000施設以上の実績を誇ります。500以上の施設経営者と直接対話し、現場課題の解決に尽力。2023年からはAIを活用した介護保険外事業やDtoCヘルスケア事業を開始し、2027年からの世界展開に向けて精力的に活動中。業界に革新をもたらし、介護とヘルスケアの未来を切り拓いています。

2025.08.24

介護におけるシフト作成とは?

要約:

介護施設や事業所では24時間体制の職員配置が必須であり、利用者ニーズと職員の希望を両立したシフト作成が重要です。しかし、介護職員からは「労働時間が不規則」「休憩・有給休暇が取りにくい」といったシフトへの不満が多く、これが早期離職や離職率の高さに繋がっています。シフト作成を見直すことで、職員の定着促進、離職率の低下、そして必要な人材の採用がしやすくなるというメリットがあります。効果的なシフト作成には、職員へのヒアリング徹底、スキルや資格の見える化、時間帯バランスの考慮、急な欠員対策、公平性の意識が不可欠です。近年では、これらの複雑な条件を考慮し、自動でシフトを生成するシフト作成アプリの活用が有効な解決策として注目されています。

介護におけるシフト作成とは?コツから自動作成アプリまで詳しく解説

運営する介護事業所でシフトに対する職員からの不満が多く、解決策に頭を悩ませている人はいませんか?

この記事では、介護の現場におけるシフト作成のコツから自動作成アプリまで詳しく解説します。

介護の現場におけるシフト作成とは?

介護施設や介護事業所は24時間体制で常に職員配置が求められます。

そのため、利用者のニーズと職員の勤務条件や勤務希望を両立したシフト作成をし、業務を円滑に進めなければなりません。

すべての利用者と職員を満足させるシフト作成をするのは難易度が高いのですが、介護施設や介護事業所の管理者にとって利用者と職員双方の満足度を高めるために重要な業務だと言えます。

介護職員のシフトについての不満とは?

画像出典:公益財団法人介護労働安定センター 介護労働実態調査 労働者調査「介護労働者の就業実態と就業意識調査 結果報告書」

介護の現場で職員が抱くシフトについての不満とは、どのような内容なのでしょうか。

2023年に公益財団法人介護労働安定センターが行った「介護労働実態調査」では、20,699人を対象に労働条件・仕事の負担に係る悩み、不安、不満などについてたずねました。

すると「労働時間が不規則である」8.7%、「労働時間が長い」7.1%、「休憩が取りにくい」17.9%、「有給休暇が取りにくい」20.5%と、シフトの見直しで改善できる可能性が高い回答をした人が多く見られたのです。

このことから職員はシフト内で雇用契約に定められた労働時間や休憩時間、有給休暇などが守られないことに不満を抱いていると言えるでしょう。

参考:公益財団法人介護労働安定センター「介護労働実態調査」

介護の現場においてシフト作成を見直すメリット

介護の現場においてシフトの内容や作成方法を見直すことには、どのようなメリットがあるのでしょうか。

3つご紹介します。

早期離職防止や定着促進につながる

画像出典:公益財団法人介護労働安定センター 介護労働実態調査 事業所調査「事業所における介護労働実態調査 結果報告書」

「介護労働実態調査」で8,990の事業所を対象に、早期離職防止や定着促進に効果がある施策についてたずねたところ、上記の画像のような結果が出ました。

「残業削減、有給休暇の取得促進、シフトの見直し等を進めている」と回答した事業が28.8%を占め、シフトの見直しが職員の定着に大きな効果をもたらしているのがわかります。

もし運営する介護事業所の早期離職が多く職員が定着しないという課題を抱えているなら、早急にシフトの作成方法を見直し、新人の職員にも納得感のあるシフトを作れる体制を整えることをおすすめします。

離職率の低下につながる

画像出典:公益財団法人介護労働安定センター 介護労働実態調査 事業所調査「事業所における介護労働実態調査 結果報告書」

「介護労働実態調査」で1,630の事業所を対象に、訪問介護員・介護職員の離職率が低下している理由についてたずねたところ、上記のような結果が出ました。

「残業削減、有給休暇の取得促進、シフトの見直し等を進めたため」と回答した事業所が45.6%で2位だったのです。

このことから介護の現場でシフトを見直すと、離職率が下がるため採用コストも減らせるのがわかります。

必要な人材を採用しやすくなる

画像出典:公益財団法人介護労働安定センター 介護労働実態調査 事業所調査「事業所における介護労働実態調査 結果報告書」

「介護労働実態調査」で4,731の事業所に対し採用がうまくいっている理由を聞いたところ、上記の画像のような結果となりました。

「残業が少ない、有給休暇を取りやすい、シフトがきつくないこと」と回答した事業所が57.3%を占めています。

求職者にシフトがきついと感じさせてしまうと望む人材を採用しにくくなるため、介護サービスの質を維持するためにもシフト作成の見直しは重要だと言えるでしょう。

介護の現場におけるシフト作成のコツ

介護の現場におけるシフト作成のコツは以下の通りです。

項目

概要

職員に対するヒアリングの徹底

月初めにスタッフの勤務希望や事情を把握する

スキルや資格を見える化

介護福祉士・介護福祉士実務者研修などの有資格者配置に偏りがないよう配慮する

時間帯のバランス

夜勤・早番・遅番が特定の人に偏らないよう調整する

急な欠員への対策

欠員が出た場合に対応できる人材を事前に確保しておく

公平性を意識する

勤務日数・希望の通りやすさなどをデータで管理してバランスを取る

ツールの活用

シフト作成アプリで自動提案や履歴管理、職員の確認を効率化

実務としては、これだけ多くの条件を確実に落とし込んだシフトを手動で組むのはなかなか難しいことと言えますが、ツールをうまく活用してなるべく利用者と職員の両方に納得してもらえるシフトを作成するよう心掛けましょう。

介護現場のシフトを自動作成してくれるおすすめのアプリ

介護現場のシフトを自動作成してくれるおすすめのアプリを5つご紹介します。

おまかせシフトちゃん

画像出典:おまかせシフトちゃん公式ホームページ

公益財団法人仙台市産業振興事業団「2019年度働き方改革促進ビジネス開発委託事業」の採択を受けて株式会社仙台情報サービスが開発・運営する「おまかせシフトちゃん」は、介護施設に特化したシフト自動作成アプリです。

iPad専用のシフト自動作成アプリのため、インターネット環境でなくてもシフトを作成することができ、1つのApple IDiPad5台まで利用可能です。

また無料お試し期間が2週間設けられているため、一度シフトを作成してみて自分の運営する介護事業所のニーズに合っているかを確認してみるのがよいでしょう。

利用料金は月額1,000円で設定方法がわからない場合は導入支援サービスもあるため、ホームページから問い合わせをしてみてください。

おまかせシフトちゃんはiPadの端末を業務で活用していて、一度使い勝手を試してからシフト自動作成アプリを導入したい介護事業所におすすめです。

参考:おまかせシフトちゃん公式ホームページ

ジョブズマイスター for 介護福祉

画像出典:ジョブズマイスター for 介護福祉公式ホームページ

ジョブズマイスター for 介護福祉とは、ケイ・エヌ情報システム株式会社が開発・運営する介護施設向けのシフト自動作成アプリです。

ジョブズマイスター for 介護福祉には、以下のような機能があります。

分類

項目

概要

基本機能

シフトの種類の設定

l   「早番」「遅番」といった名称と勤務の詳細を設定する

l   「早番は木曜日に1人必要」といった形で勤務の種類別に各曜日で必要な人数を想定する

勤務パターンの設定

l   「31休」といった勤務サイクルを設定する

l   介護職員・事務職員といった職務におけるグループを設定できる

条件設定

l   「新人職員同士を組み合わせない」といった細かな条件を設定できる

l   夜勤ができないといった職員別の勤務条件を設定できる

l   グループ別にまとめて勤務を設定する

シフト表への表示設定

l   シフト表内に3文字以内でコメントを入力する

l   備忘マークの設定をする

l   行事設定をする

l   メモ機能で書き込みをする

表示切り替え

l   「勤務の種類別」「勤務時間別」の2種類で表示切り替えをする

l   一日内における時間帯ごとの人数表示をする

集計

l   月別の労働時間集計をする

l   時間帯ごとに必要な人数の過不足を把握する

配布

l   スマホ・タブレット端末からシフトの確認をする

l   Excelで出力する

l   印刷する

オプション機能

希望休提出

l   スマホから希望休、希望シフトの提出、シフト確認をする

他システムとの連携

l   就業奉行i10、就業大臣NX、クロノスPerformanceといった外部システムと連携する

ジョブズマイスター for 介護福祉は上記のように機能は多いものの、PC・スマホ両方の操作画面の画像をホームページで確認できたり、3か月間無料のトライアルを申し込めたりします。

また電話やFAX、ホームページからの問い合わせも受け付けているため、質問にも対応してもらえます。

利用料金は1拠点あたり2,500円、25拠点目まで2,000円、610拠点目まで1,500円なので、複数の拠点で利用したいというニーズを持つ介護事業所にも対応できます。

ジョブズマイスター for 介護福祉は、複数の拠点で介護事業所を運営しシフト作成の作業を統一化したい場合におすすめです。

参考:ジョブズマイスター for 介護福祉公式ホームページ

勤務シフト作成お助けマン®

画像出典:勤務シフト作成お助けマン公式ホームページ

勤務シフト作成お助けマン®は、鉄道情報システム株式会社が開発・運営するクラウド型のシフト自動作成アプリです。

勤務シフト作成お助けマン®には、早番・遅番などで勤務の種類を割り当てる形の勤務シフト作成お助けマンDAYと、勤務時間を割り当てる形のシフト作成ができる勤務シフト作成お助けマンTimeがあります。

勤務の種類を割り当てる介護施設向きの、勤務シフト作成お助けマンDAYでできることは次の通りです。

 

項目

概要

シフト表の作成

l   シフト作成者と職員からの希望入力

l   あらかじめ決まっている休み・勤務の入力

l   シフトの自動作成

l   シフト表をチェックして、登録した勤務条件に合っていない項目を表示する

l   修正入力

l   シフト表の確定

l   シフト表の変更履歴の確認

l   確定したシフト表に変更があった場合の該当職員への通知

シフト表の出力

l   対象期間におけるシフト表の出力

l   1日単位のタイムスケジュール表の出力

l   外部システムと連携するデータ(CSV)の出力

シフト表の確認

l   シフト作成者からのお知らせを職員が確認する

l   確定したシフトをスマホで確認する

l   確定後のシフト変更箇所を確認する

職員についての設定

l   職員名、社員番号、担当可能シフト、曜日別固定シフト、グループ(スキルや役職など)などを登録する

l   グループの詳細を登録する

l   全部署の職員に対し一括変更を行う

勤務条件の設定

l   勤務の種類(早番、遅番など)の設定

l   勤務グループ(早番グループなど)の設定

l   基本ルール(連勤のルールなど)の設定

l   勤務並びの一致ルール、回避ルールの設定

l   スタッフ同士の組み合わせの条件を設定

l   必要な人数の設定

l   スタッフ別の勤務回数(月単位・週単位)の設定

l   スタッフ別の総労働時間(月単位・週単位)の設定

スケジュール設定

l   シフト表に表示させるイベント名の登録

l   祝祭日の設定

部署設定

l   部署の表示並びの変更や各種出力項目の選択

ユーザー登録

l   管理者ユーザー、スタッフユーザのIDを管理する

利用料金は1か所の人数が50名までは初期費用無料、月額払い15,000円ですが、年額払いも選べ、50名以上は別途見積をしてもらえます。

2か月間の無料トライアル期間があり、有料プランに切り替えても環境や設定を引き継いで使えるので移行がスムーズにできるでしょう。

勤務シフト作成お助けマンDAYは、職員の人数が多く勤務条件をうまく組み合わせたシフト作成をするのが難しい介護事業所におすすめです。

参考:勤務シフト作成お助けマン®公式ホームページ

シンクロシフト

画像:シンクロシフト公式ホームページ

シンクロシフトは介護事業者である株式会社サインキューブが開発・運営するシフト管理システムです。

シンクロシフトには以下のような機能があります。

  • 希望休をスマホで集計する
  • シフト表を自動・手動の両方で作成する
  • 勤務形態一覧表を自動生成する
  • データ管理をクラウド化する
  • 加算チェック機能
  • シフト条件の設定
  • 勤怠管理システムとの連携

1か月間の無料トライアル期間があり、1ユーザーあたりの単価が月額500円で、10名以上5名単位で有料プランの契約が可能です。

シンクロシフトは「IT導入補助金2025」の認定対象ツールでもあるため、補助金を使用した導入もサポートしてもらえます。

また、シンクロシフトを用いて作成したシフトで2か月働いた場合の心身への影響についてJNIOSHと株式会社サインキューブが共同研究をしたところ、「深い睡眠」「REM睡眠」「総睡眠時間」の有意な延長が見られ、職員への負荷が少ないことがわかったのです。

シンクロシフトは、職員の身体的な負荷を軽減しながらシフト作成を効率化したい介護事業所におすすめです。

参考:シンクロシフト公式ホームページ

ほすぴタッチ

画像出典:ほすぴタッチ公式ホームページ

ほすぴタッチは、シーライヴ株式会社が開発・運営する、AIと数理モデルを使ってシフトを自動生成するアプリです。

ほすぴタッチでできることは次の通りです。

  • AIと数理モデルを用いたシフトの自動生成
  • チームの一括管理
  • ユーザー登録・権限設定
  • 勤務シフトのルールや条件の設定
  • シフト希望の送付と受付
  • 個人間でのシフト交換

導入前には無料のオンライン相談を受け付けているため、自分の介護事業所におけるシフト作成のニーズを相談できます。

また導入前も導入後も永続サポートのサービスがあるため、初めてシフト自動作成アプリを検討する場合でも安心して導入できます。

具体的には初期設定や初期導入を代行し、運用後もオンラインサポートを継続してくれるのです。

料金については初期設定、有償トライアル、月額料金ともホームページから問い合わせが必要です。

ほすぴタッチは、導入前にサービスについて説明をしっかりと受けてからシフト自動作成アプリを導入したい介護事業所におすすめです。

参考:ほすぴタッチ公式ホームページ


介護現場でのシフト作成アプリの導入は株式会社プレゼンス・メディカルにご相談ください

介護事業所におけるシフト作成アプリの導入は、株式会社プレゼンス・メディカルにご相談ください。

プレゼンス・メディカルではAI活用のコンサルティングサービスを行っており、以下の4つの段階を踏んで導入をサポートします。

AI活用の可能性検討(1週間)

AI活用プランの策定(2週間)

AIシステムの開発・導入 (3か月)

AI活用の運用支援(6か月)

運用支援期間の方を長く取ることで、介護事業所の成長に応じて生まれた新たな運用面での課題を、伴走して一緒に乗り越えることができるのです。

専門知識を生かしてサポートをするため、介護事業所内に導入ノウハウがない場合でも安心してご相談いただけます。

興味のある方は、次のページもごらんください。

既存商品・サービスにAIを活用することで、新たな付加価値を創造し、販路拡大を狙う企業が増えています。

まとめ

介護現場におけるシフト作成は、24時間体制でサービスを提供する上で極めて重要な業務です。利用者のニーズを満たしつつ、職員の勤務条件や希望を考慮したシフトを組むことは、業務の円滑化に直結します。しかし、現状では多くの介護職員が「労働時間が不規則」「休憩や有給が取りにくい」といったシフトに関する不満を抱えており、これが職員の早期離職離職率の高さの大きな原因となっています。

シフト作成を見直すことで、職員の定着促進、離職率の低下、そして優秀な人材の採用といった多くのメリットが得られます。実際に、残業削減や有給取得促進、シフト見直しを行った事業所では、職員の定着が進み、離職率が低下していることが調査で示されています。

効果的なシフト作成のコツとしては、職員への徹底したヒアリング、保有スキルや資格の可視化による適切な配置、夜勤・早番・遅番などの時間帯バランスの均等化、急な欠員への事前対策、そして勤務日数や希望の通りやすさといった公平性の確保が挙げられます。これらの複雑な要素を手動で管理するのは困難なため、近年ではシフト作成アプリの導入が有効な解決策として注目されています。

「おまかせシフトちゃん」「ジョブズマイスター for 介護福祉」「勤務シフト作成お助けマン®」「シンクロシフト」「ほすぴタッチ」など、多様な機能を持つ自動作成アプリが登場しており、AIや数理モデルを活用して最適なシフトを提案してくれます。これらのツールを導入することで、管理者側の負担軽減だけでなく、職員の不満解消とモチベーション向上にも繋がり、結果として介護サービスの質の向上にも貢献するでしょう。


本記事は発表当時のデータに基づき、一般的な意見を提供しております。経営上の具体的な決断は、各々の状況に合わせて深く思案することが求められます。したがって、専門家と話し合いながら適切な決定を下すことを強く推奨します。この記事を基に行った判断により、直接的または間接的な損害が発生した場合でも、我々はその責任を負いかねます。

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