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最も取得したい研修が喀痰吸引等研修

喀痰吸引等研修受講で資格を取得したらその後どうなるのか。【個人編】と【法人編】
著者/監修プロフィール

株式会社プレゼンス・メディカル 創業会長兼CEO今西和晃
/ Tomoaki Imanisih

医療、健康、教育、環境など、多岐にわたる分野での社会貢献を目指し、プレゼンス・メディカルを設立。日本の医療・介護分野において「技術の革新」をキーワードに、数々の新しいケアプロトコルを生み出し、業界に貢献している起業家である。M&Aやベンチャーキャピタルの分野で多数の事業を手掛け、その経験と知識を活かして、日本の介護業界にイノベーションをもたらすプレゼンス・メディカルを設立しました。
同社のCEOとしても活躍し、研修や喀痰吸引に関するコラムを通じて、事実に基づいた医療的ケアの意義や役割を啓蒙している。その知見は、今後の介護業界の発展に大きく貢献することが期待される。
2014年から500施設以上の施設経営者と直接対面を行い、現場における課題解決に向けた対談多数。公益社団法人 全国老人福祉施設協議会でのセミナーを全国28都道府県で実施。

2022.09.06

喀痰吸引等研修受講で資格を取得したらその後どうなるのか。【個人編】と【法人編】

喀痰吸引等研修とは?

喀痰吸引等研修とは、患者のたんを吸引したり、経管栄養を行ったりできる介護職員を養成することを目的とした研修です。

また、喀痰吸引等研修は基本研修と実地研修があり、両方の研修終了後には喀痰吸引の資格を得ることができます。なお、介護関連の仕事のひとつである介護福祉士を実務経験ルートで受験する際には、喀痰吸引等研修を受講して、喀痰吸引の資格を取得していることが条件の1つとなっています。

喀痰吸引等研修で資格取得後にできること【個人編】

喀痰吸引等研修には、基本研修と実地研修がありますが、実施する対象者によって研修パターンが分類されています。
それではまず、研修の種類からご紹介しましょう。

研修の種類は3パターン

それでは早速、3パターンの研修と、研修で資格取得後に実施できる内容と対象者についてご紹介しましょう。

第1号研修

第1号研修を受講すると、口腔内、鼻腔内、気管カニューレ内部の喀痰吸引と、胃ろうまたは腸ろう、経鼻の経管栄養を行えるようになります。なお、第1号研修では、不特定多数の人に手技を行えます。

第2号研修

第2号研修では、口腔内と鼻腔内の喀痰吸引と、胃ろうまたは腸ろう、経鼻の経管栄養を行えるようになります。
こちらの研修もまた、第1号研修と同様に不特定多数の人に実施できます。

第3号研修

第3号研修でも、口腔内、鼻腔内、気管カニューレ内部の喀痰吸引と、胃ろうまたは腸ろう、経鼻の経管栄養を行えるようになりますが、この研修では実施できる対象者が以下の特定利用者に限定されます。

なお、特定利用者は、筋委縮性側索硬化症(ALS)あるいは、この症状と類似する神経疾患や筋疾患、筋ジストロフィー、高位頚髄損傷、遷延性意識障害、重症心身障害などを発症しており、療養が必要な患者や障害者となっています。

また、それぞれに資格を取得しただけでは喀痰吸引を行うことができず、資格取得後に認定申請をして、申請が受理されて初めて喀痰吸引を実施できます。

認定申請しないままで喀痰吸引を行ってしまうと法律に抵触する可能性がありますので、この点については細心の注意を払う必要があるでしょう。なお、喀痰吸引の資格取得者は、「認定特定行為業務従事者」として雇用されることになります。

1号研修と2号研修の違いについて

1号研修

第1号研修を受講すると、口腔内、鼻腔内、気管カニューレ内部の喀痰吸引と、胃ろうまたは腸ろう、経鼻の経管栄養の全てを行えるようになるものが、第1号研修です

2号研修

第2号研修も第1号研修と同じく、不特定多数の人に対して「たん吸引」と「経管栄養」を実施できるようになる研修です。第1号との違いは、「喀痰吸引等研修後にできる5つの医療行為」を1つから4つまでの行為を選んで実地研修を行うというところが大きな違いとなります。

喀痰吸引の資格を得るメリット

喀痰吸引等研修を受講すると、以下のメリットを得られます。

実践的な知識と技術が身につく

喀痰吸引等研修では、座学だけではなく、実地研修も受けることになります。
つまり、理論的な知識だけでなく、実践的な知識と技術を身につけられるということですね。

活躍の場を広げられる

喀痰吸引等研修で資格を得ると、介護施設や訪問介護の場で活躍できますが、知識や技術が広がることで、より好待遇の職場に転職する際にも資格が有利に働きます。また、通常の介護職よりもさらに重要なポストに就ける可能性が広がるというメリットもあるのです。

施設などによっては特別手当が支給される可能性

施設によって待遇は異なりますが、喀痰吸引の資格を得ることで特別手当が支給されることがあります。

というのは、喀痰吸引は誰にでも実施できるものではなく、研修受講して資格を得なければ実施できないからです。
つまり、一般の介護職員よりも好待遇で勤務できる可能性が高まるということですね。

喀痰吸引等研修は研修期間が長いというデメリットはあるものの、一度資格を取得してしまえば、その後に追加研修などを受ける必要がありません。つまり、キャリアアップを図るだけでなく、現状の賃金に満足していない方は、取得しておいたほうが良い資格ということになります。

喀痰吸引等研修受講後にできること【法人編】

喀痰吸引の資格を取得している職員を雇用した法人は、以下のメリットを得ることができます。

より高い知識と技術を持った職員を雇用できる

介護施設などの事業所の多くは、一般職員を雇用していますが、一般職員の場合では喀痰吸引の実施が必要な利用者に対応できません。一方、喀痰吸引を実施できる職員を雇用すれば、喀痰吸引の実施が必要な利用者に対応できることになります。

つまり、利用者の幅を広げることができるということなのです。

人材開発支援助成金制度を利用できる

人材開発支援助成金制度とは、雇用する施設の従事者のキャリアアップを目的とした職業訓練などにかかる費用を助成する制度です。

また、人材開発支援助成金制度は対象となる研修が限られていますが、喀痰吸引等研修はこの制度の対象となっており、制度を利用することで訓練にかかる経費や賃金の一部が助成されます。

なお、喀痰吸引等研修では、特定訓練コースに分類されるため、一般訓練コースよりも助成率が高いという特徴があります。つまり、訓練費用を抑えながら、優秀な人材の育成に取り組めるということですね。

喀痰吸引等研修は福祉関係の専門学校や研修センター、管轄の都道府県の登録研修機関で実施されていますので、ぜひ参考にしてください。

まとめ

今回は、個人と法人に分類して、喀痰吸引等研修で資格を得ることでできることについてご紹介してきました。

喀痰吸引等研修で資格を得ると、これまで行えなかった喀痰吸引や経管栄養を行えるようになりますので、仕事の幅が大きく広がります。また、法人の場合では、事業所の従事者に対して喀痰吸引等研修を受講させることで利用者の幅を広げられるというメリットを得られます。

さらに、法人の場合では人材開発支援助成金制度を活用することで、費用を抑えつつ優秀な人材育成を行えるというメリットも得られるのです。

このように、個人、法人ともにメリットを得られるのが喀痰吸引等研修ですので、仕事の幅を広げたい個人や、優秀な人材を育成したい法人は、この機会に喀痰吸引等研修の受講を検討してみてはいかがでしょうか。

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2025年に向け必要とされている
介護職員の医療的ケア。

2025年に向け必要とされている介護職員の医療的ケア。
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利用者が安心した生活を過ごせるように、 喀痰吸引等の資格取得が必要です。
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