PAGE TOP

コラム

column

介護施設・保育園・福祉施設・在宅で
最も取得したい研修が喀痰吸引等研修

喀痰吸引等研修【第1号・2号・3号研修、実地研修】についてそれぞれの違いや特徴について解説します。
著者/監修プロフィール

株式会社プレゼンス・メディカル 創業会長兼CEO今西和晃
/ Tomoaki Imanisih

医療、健康、教育、環境など、多岐にわたる分野での社会貢献を目指し、プレゼンス・メディカルを設立。日本の医療・介護分野において「技術の革新」をキーワードに、数々の新しいケアプロトコルを生み出し、業界に貢献している起業家である。M&Aやベンチャーキャピタルの分野で多数の事業を手掛け、その経験と知識を活かして、日本の介護業界にイノベーションをもたらすプレゼンス・メディカルを設立しました。
同社のCEOとしても活躍し、研修や喀痰吸引に関するコラムを通じて、事実に基づいた医療的ケアの意義や役割を啓蒙している。その知見は、今後の介護業界の発展に大きく貢献することが期待される。
2014年から500施設以上の施設経営者と直接対面を行い、現場における課題解決に向けた対談多数。公益社団法人 全国老人福祉施設協議会でのセミナーを全国28都道府県で実施。

2022.12.18

喀痰吸引等研修【第1号・2号・3号研修、実地研修】についてそれぞれの違いや特徴について解説します。

喀痰吸引等研修【第1号・2号・3号研修、実地研修】とは

本来は医療行為である喀痰吸引や経管栄養の管理。これらを行うためには医師や看護師といった医療系の資格が必要です。

しかし喀痰吸引ができないと、利用者が急な痰詰まりを起こした際に対応ができず窒息や誤嚥性肺炎のリスクが上昇してしまいます。また経管栄養の管理ができる職員が常時いない施設だと胃ろうや警備栄養が必要な利用者の受け入れが困難になってしまいます。

そこで、喀痰吸引や経管栄養を介護職員でもできるようにするための研修が行われています。

それが喀痰吸引等研修です。この喀痰吸引等研修をうけることで医師や看護師との連携のもと喀痰吸引と経管栄養の管理ができるようになります。喀痰吸引等研修をうけることでスキルアップに繋がり、現場から求められる介護職員になれます。施設側からしても現場の対応力が上がるためメリットの大きい研修と言えるでしょう。

喀痰吸引等研修は医療行為を行う対象者によって研修内容が変わります。対象者に合わせて必要な研修を受けることが重要です。

今回は喀痰吸引等研修の第1号・2号・3号研修の違いについて、また基礎研修と実地研修の内容について解説していきます。

第1号・2号・3号研修のちがいとは

まずは喀痰吸引等研修の第1・2・3号がどのような内容で分かれているのかについて見ていきましょう。

第1号・2号研修は不特定多数の利用者に対する行為ができるようになる研修です。第1号では喀痰吸引(口腔内・鼻腔内・気切カニューレ内部)と経管栄養(胃ろう・腸ろう・経鼻)ができるようになります。第2号研修は喀痰吸引(口腔内・鼻腔内)と経管栄養(胃ろう・腸ろう)ができます。

1号か2号かで気切カニューレ内の吸引ができるか、経鼻栄養の管理ができるかの違いがあるということになります。

3号研修は筋萎縮性側索硬化症(ALS)またはこれに類似する神経・筋疾患(筋ジストロフィー、高位頸髄損傷、遷延性意識障害、重傷心身障害)を患っている療養者や障がい者に対して喀痰吸引(口腔内・鼻腔内・気切カニューレ内部)経管栄養(胃ろう・腸ろう・経鼻)をできるようになります。

3号研修は通常は1号・2号研修より受けなければならない基本研修の合計時間が短くなっています。

このように第1・2・3号研修にはできる医療行為や医療行為を行うことのできる利用者さんが異なります。なるべく仕事の幅を広げたいという方は第1号研修を検討しましょう。

自分の所属している施設で第3号研修の要件に当てはまるような利用者が多く、それらの利用者に対応できれば良いというのであれば第3号研修を検討するのも選択肢となります。

今の自分にはどんなスキルが必要なのかを考えたり、自分の所属する施設と相談して受ける研修を検討してください。

喀痰吸引等研修の基本研修と実地研修

喀痰吸引等研修の基本研修と実地研修

喀痰吸引研修には基本研修と実地研修があります。まず基本研修について見ていきましょう。

基本研修は講義と演習があります。講義は項目ごとに講義時間数が定められていて合計で50時間となっています。

演習は口腔内の喀痰吸引、鼻腔内の喀痰吸引、気切カニューレ内喀痰吸引、胃ろう・腸ろうの経管栄養、経鼻の経管栄養、救急蘇生法の6項目があります。救急蘇生法の演習は1回、それ以外の演習は5回以上行うこととされています。

ただし3号研修の基本研修は講義と演習の区別がなく、合計時間が9時間と短くなっています。

次に実地研修です。喀痰吸引などの医療処置を行うためには実際の利用者さんに対して行う実地研修を終了することも必須となっています。

この実地研修は、口腔内の喀痰吸引、鼻腔内の喀痰吸引、気管カニューレ内部の喀痰吸引、胃ろう又は腸ろうの経管栄養、経鼻の経管栄養5項目あります。実施回数は口腔内の喀痰吸引が10回以上、そのほかが20回以上となっています。

喀痰吸引等研修はどこで受けることができる?

喀痰吸引等研修を受けようと思ったら研修を実施している事業者を探して申し込む必要があります。

基本的には各都道府県のホームページで公開されています。ホームページにアクセスして実施事業者に連絡を取り研修を受けてください。

まとめ

今回は喀痰吸引等研修の第1・2・3号研修の違いと基本研修・実地研修について解説していきました。

介護施設などの現場でも欠かせない行為となってきている喀痰吸引や経管栄養ですが、今後の日本社会の高齢化も相まってますます重要性が増してくることが予想されます。

今の自分にとってどのようなスキルが必要なのかを考えて、場合によっては所属施設と相談しながら受ける研修ん種類を決めていきましょう。

Documents・Contact

2025年に向け必要とされている
介護職員の医療的ケア。

2025年に向け必要とされている介護職員の医療的ケア。
介護施設・保育園・福祉施設・在宅で医療的ニーズのある利用者が今後さらに増えています。
利用者が安心した生活を過ごせるように、 喀痰吸引等の資格取得が必要です。
研修予算計画を始め、現場に寄り添った年回計画を策定し、安定的な資格取得の計画をご提案します。