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介護施設・保育園・福祉施設・在宅で
最も取得したい研修が喀痰吸引等研修

今後広がることが予想される在宅レスパイト。在宅レスパイトのケアを行うために必要なスキルとは
著者/監修プロフィール

株式会社プレゼンス・メディカル 創業会長兼CEO今西和晃
/ Tomoaki Imanisih

医療、健康、教育、環境など、多岐にわたる分野での社会貢献を目指し、プレゼンス・メディカルを設立。日本の医療・介護分野において「技術の革新」をキーワードに、数々の新しいケアプロトコルを生み出し、業界に貢献している起業家である。M&Aやベンチャーキャピタルの分野で多数の事業を手掛け、その経験と知識を活かして、日本の介護業界にイノベーションをもたらすプレゼンス・メディカルを設立しました。
同社のCEOとしても活躍し、研修や喀痰吸引に関するコラムを通じて、事実に基づいた医療的ケアの意義や役割を啓蒙している。その知見は、今後の介護業界の発展に大きく貢献することが期待される。
2014年から500施設以上の施設経営者と直接対面を行い、現場における課題解決に向けた対談多数。公益社団法人 全国老人福祉施設協議会でのセミナーを全国28都道府県で実施。

2023.12.18

今後広がることが予想される在宅レスパイト。在宅レスパイトのケアを行うために必要なスキルとは

近年の我が国は急激に高齢化が進んでいます。それにより介護が必要な人の割合も大きく増加しています。

総務省の「社会生活基礎調査」をみてみると15歳以上の家族介護者数は、2001年に470万人であったのが、2016年には699万に増えています。

このように介護が必要な人が増えて家族の介護を担う人が急増しているなかで、レスパイトケアの重要性はますます増してくることが考えられます。そこで今回は今後増えてくる可能性の高い在宅レスパイトの現状を解説し、在宅レスパイトに対応するために必要なスキルについてみていきます。

そもそもレスパイトケアとは

レスパイトケアは家族の介護をしている人が一時的に介護を離れることができるように医療者が介護を含む生活のケアを行うというものです。

現在の我が国で主流となっているのは医療機関に入院して行うレスパイト入院です。

これは病気などで入院が必要な状態ではないが、病院に一時的に入院して家族が介護から離れられるようにするというもので、レスパイト入院の間に介護を担ってる家族は休息したり、冠婚葬祭などの行事、病院受診などの用事を済ましたり、空いた時間を活用することができます。

しかし介護が必要な人がさらに増えて、介護を担う家族の負担が増え続けると、レスパイト入院のために必要な病床が増え続けることになります。その結果として、レスパイトケアが必要な患者家族全員が必要なときにレスパイトケアを利用することが難しくなることが予測されます。そこで今後、レスパイトケアを在宅で実施する在宅レスパイトが必要となってくると考えられます。

在宅レスパイトケアの実例を見てみる

今行われている在宅レスパイトはどのようなものなのか見てみましょう。東京都江東区は重症心身障害児(者)在宅レスパイト支援事業を実施しています。

これは日常的に医療ケアが必要な重症心身障害児(者)等の自宅等に看護師を派遣して一定時間の医療的ケア及び療養上の解除を行うことで家族等の介護負担を軽減するというものです。

この江東区の重症心身障害児(者)在宅レスパイトで行われる医療的ケアには以下のようなものがあります。

人工呼吸器管理、気管内挿管、気管切開、酸素吸入、痰の吸引(16回以上又は継続使用)中心静脈栄養、腸ろう・腸管栄養、継続する透析、定期導尿、人工肛門

このように現状の在宅レスパイトは様々な医療的な処置を実施する必要があります。そのため現状の在宅レスパイトでは訪問看護などの看護師が対応することになります。

ただ、今現在行われている在宅レスパイトは身体障害が重い人を対象にしている人が多いのですが、今後は対象が広がるにつれて、医学的な処置をさほど必要としない患者さんの利用が増えると予想されます。

ただ、全く医学的な処置が不要にはならず、介護職が在宅レスパイトに関わる上で実施できる必要のあると考えられる処置が存在します。

介護職員が対応できる医療行為

医療行為は本来医師や看護師といった医療職が行うものです。ただし、介護職員でもいくつかの医療行為はできるようになります。

喀痰吸引、経管栄養、胃ろう、腸ろうの管理がそれにあたります。

これらの医療行為は医師や看護師のような医療職でない介護職員であっても「喀痰吸引等研修を」受講することで実施できるようになります。今後在宅レスパイトは訪問看護ステーションだけではなく、訪問介護事業所も関わっていくことになると予想されます。

在宅レスパイトは家族の介護を続けて疲弊している人を救うことができる非常に意義のある仕事です。社会的にも意義が大きいため今のうちに対応できるようにすることをお勧めします。

もちろん喀痰吸引等研修を受講していると在宅レスパイトだけでなく、介護施設で喀痰吸引が必要になった方への対応をすることが可能になることから、受講していない介護職員と比較しては職場の選択の幅が大きく広がります。同じ職場でも喀痰吸引などの処置ができる介護職員の方がより高待遇を見込むことができます。

まとめ

今回は在宅レスパイトについて解説していきました。高度に高齢化が進んできている日本の医療は今後在宅にシフトしていくことが予想されます。

レスパイト入院も今後は在宅でのレスパイトケアにシフトしていくと考えられ、いち早くこれに対応することで新たなニーズに応えることが可能となります。

 

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2025年に向け必要とされている
介護職員の医療的ケア。

2025年に向け必要とされている介護職員の医療的ケア。
介護施設・保育園・福祉施設・在宅で医療的ニーズのある利用者が今後さらに増えています。
利用者が安心した生活を過ごせるように、 喀痰吸引等の資格取得が必要です。
研修予算計画を始め、現場に寄り添った年回計画を策定し、安定的な資格取得の計画をご提案します。