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介護疲れに対するレスパイトケアを在宅で。在宅レスパイトについて解説します。
著者/監修プロフィール

株式会社プレゼンス・メディカル 創業会長兼CEO今西和晃
/ Tomoaki Imanisih

医療、健康、教育、環境など、多岐にわたる分野での社会貢献を目指し、プレゼンス・メディカルを設立。日本の医療・介護分野において「技術の革新」をキーワードに、数々の新しいケアプロトコルを生み出し、業界に貢献している起業家である。M&Aやベンチャーキャピタルの分野で多数の事業を手掛け、その経験と知識を活かして、日本の介護業界にイノベーションをもたらすプレゼンス・メディカルを設立しました。
同社のCEOとしても活躍し、研修や喀痰吸引に関するコラムを通じて、事実に基づいた医療的ケアの意義や役割を啓蒙している。その知見は、今後の介護業界の発展に大きく貢献することが期待される。
2014年から500施設以上の施設経営者と直接対面を行い、現場における課題解決に向けた対談多数。公益社団法人 全国老人福祉施設協議会でのセミナーを全国28都道府県で実施。

2023.12.18

介護疲れに対するレスパイトケアを在宅で。在宅レスパイトについて解説します。

介護の仕事についているとレスパイト入院という言葉を耳にする機会は度々あると思います。

レスパイト入院は自宅で療養している患者さんの介護にあたっている家族が一時的に介護から解放されるようにするための入院です。

介護疲れへの対応や、冠婚葬祭や病院受診などの対応などを目的としています。

レスパイト入院は患者家族が介護を続けていくために非常に重要な役割を持ち、欠かせない存在ですが問題点もあります。今回はレスパイト入院の問題点について解説し、在宅レスパイトとはどのようなものかを解説します。

レスパイト入院の問題点とは

まずはレスパイト入院の問題点を見てみましょう。

レスパイト入院は、その名の通り入院ですので、病院のベッドに空きがあることが必要です。

行事などが集中する時期にレスパイト入院の需要が急増し、そのタイミングで何らかの原因で介護が難しくなるとそもそもレスパイト入院の利用ができないという自体が想定されます。

また認知症などが進んでいる高齢者の場合、病院がレスパイト入院に対応できない場合があったり、入院により急激に環境が変わったことが原因でせん妄を起こすことがあります。

病院に移動する必要があるため病状が厳しい場合には移動の負担を考えてレスパイトを諦めざるを得ない場合も考えられます。

入院をするための準備が大変な場合や、病院に受診する間だけの短期間でよいため、入院まで必要ないという場合もあります。

このように入院を要するということからレスパイト入院には様々な問題点が存在するのです。

レスパイト入院の問題点を解決する在宅レスパイトの試みとは

ここまでレスパイト入院の問題点を見ていきました。これらの問題を解決するために在宅レスパイトの取り組みを行う自治体が出てきています。

在宅レスパイトとはその名の通りレスパイト入院で行うような患者家族のリフレッシュなどのためのケアを在宅で行う取り組みです。

介護者の休憩のほかに、病院受診など短時間で済む用事などに利用することが想定されています。

在宅レスパイトでは入院の必要がないので移動などに際して大掛かりな準備が必要なく、患者さん自身にとっても移動や環境変化の負担がありません。また病院のベッドが空いていない場合にも使うことができます。

在宅れスパイとの取り組みの例

在宅レスパイトの例を見てみましょう。

東京都では令和4年から難病患者在宅レスパイト事業を実施しています。在宅で人工呼吸器を使用している難病患者さんがいる家庭において、介護者の休息や病気治療などの理由によって一時的に在宅で介護ができなくなった場合に、病状等の理由で移送が困難な場合などの一時入院が難しい時に行われます。このような過程に訪問看護ステーションよりスタッフが派遣されレスパイトケアを実施しています。

現行の精度では利用は1時間単位で同一の患者について、月あたり4時間、年間48時間まで利用することが可能です。

また利用するにあたっては以下の3つを全て満たす必要があります。

  1. 都内在住で難病医療費等助成対象疾患に罹患している
  2. 当該指定難病により、在宅で人工呼吸器を使用している
  3. 介護者の休息等の理由により在宅での介護を受けることが一時的に困難になった

利用する際は利用する訪問介護ステーションを決め、その訪問看護ステーションと利用日時を調整し、主治医に利用する要諦の訪問看護ステーションに指示書を作成してもらってから、申請書類を提出する必要があります。

この申請書類は利用希望日の10日前までに提出する必要があります。

このようにみているとまだまだ在宅レスパイトは日本全国に広まっているわけではなく、利用にあたっての条件も多いのが現状です。

しかし今後ますます社会が高齢化すると、レスパイトケアが必要になる人が増えていくことが予想され、レスパイト入院を実施する病院で対応しきれない自体が想定されます。今後在宅レスパイトを実施する自治体は増加し需要も増加していくと考えられます。

まとめ

今回は在宅レスパイトについて解説していきました。レスパイトケアが必要な人が増えるに従って、在宅レスパイトは広がっていくことが予想されます。

在宅レスパイトに対応することができるような体制を構築することの重要性は今後増していくと考えられます。ぜひ今後の動向に注目しましょう。

 

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2025年に向け必要とされている
介護職員の医療的ケア。

2025年に向け必要とされている介護職員の医療的ケア。
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