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介護施設・保育園・福祉施設・在宅で
最も取得したい研修が喀痰吸引等研修

介護サービス事業者の経営情報の報告制度とは?
著者/監修プロフィール

株式会社プレゼンス・メディカル 創業会長兼CEO今西和晃
/ Tomoaki Imanisih

医療、健康、教育、環境など、多岐にわたる分野での社会貢献を目指し、プレゼンス・メディカルを設立。日本の医療・介護分野において「技術の革新」をキーワードに、数々の新しいケアプロトコルを生み出し、業界に貢献している起業家である。M&Aやベンチャーキャピタルの分野で多数の事業を手掛け、その経験と知識を活かして、日本の介護業界にイノベーションをもたらすプレゼンス・メディカルを設立しました。
同社のCEOとしても活躍し、研修や喀痰吸引に関するコラムを通じて、事実に基づいた医療的ケアの意義や役割を啓蒙している。その知見は、今後の介護業界の発展に大きく貢献することが期待される。
2014年から500施設以上の施設経営者と直接対面を行い、現場における課題解決に向けた対談多数。公益社団法人 全国老人福祉施設協議会でのセミナーを全国28都道府県で実施。

2024.11.25

介護サービス事業者の経営情報の報告制度とは?

要約:

厚生労働省は2024年4月から、介護サービス事業者の経営情報を収集し、データベース化する新しい報告制度を導入します。この制度は人口動態の変化を見据え、3年ごとの介護事業経営実態調査を補完し、事業者への支援策検討に活用することを目的としています。報告対象は原則全事業者で、特定の条件を満たす場合に限り対象外です。報告内容は事業所の基本情報、収益・費用、職種別人数などで、データは「介護事業財務情報データベースシステム(仮称)」を通じて管理されます。この報告制度により、利用者がサービス選択しやすくなると同時に、他の事業者と差別化が求められます。株式会社プレゼンス・メディカルではAIを活用したコンサルティングサービスを提供しており、これを活用して経営改善や競争力向上を図ることが推奨されています。

介護サービス事業者における経営情報の報告制度とは

厚生労働省は、20244月より介護サービス事業者の経営情報の収集とデータベースの整備をし、収集した情報を国民に分かりやすくなるよう属性などに応じてグルーピングした分析結果を公表する制度を新しく作ると発表しました。

この制度は、2040年を踏まえた人口動態の変化などに的確に対応し、介護サービス事業者への支援策を検討する上で3年に1度の介護事業経営実態調査を補完するのを目的として行われます。

厚生労働省では介護サービス情報公表制度についても併せて見直しを行い、利用者が介護サービスを選びやすくしたいとしています。

参考:厚生労働省「介護サービス事業者の経営情報の調査及び分析等」

参考:厚生労働省「介護事業経営実態調査」

参考:厚生労働省「介護サービス情報の公表制度」

介護サービス事業者における経営情報の報告制度の詳細

介護サービス事業者における経営情報の報告制度の詳細を解説します。

報告の対象となる介護サービス事業者

原則としてすべての介護サービス事業者が報告を行わなければなりません。

しかし次の事業者は対象外となります。

  • 過去1年間で提供を行った介護サービスの対価として支払いを受けた金額が100万円以下の事業者
  • 災害その他都道府県知事に対し報告が出来ないことについて正当な理由がある事業者

対象の事業者は報告の準備を進めておきましょう。

報告の単位

報告は原則として介護サービス事業所・施設単位にすることになっています。

しかし介護サービス事業所別や施設別の会計区分(組織内の会計を2つ以上の区分にわけた方が望ましい場合に設定される会計単位)をしていない時など、やむを得ない理由がある場合は法人単位で報告してもよいとされているのです。

自分の事業所の会計区分をチェックし、どの単位で報告すればよいかをあらかじめ確認しておきましょう。

報告の対象となる介護サービス

報告の対象となる介護サービスは以下の通りです。

項目

概要

訪問介護

l  利用者ができるだけ自宅で自立した日常生活を送るため、訪問介護員が訪問して身体介護や生活援助をするサービス

訪問入浴介護

l  利用者ができるだけ自宅で自立した日常生活を送るため、身体の清潔維持や、ADL(日常生活動作)の向上を目的として持参した浴槽で入浴の介護をするサービス

訪問看護

l  疾患を持つ利用者ができるだけ自宅で自立した日常生活を送るため看護師が訪問して医師の指示の下療養上の世話や診療の補助をするサービス

訪問リハビリテーション

l  利用者ができるだけ自宅で自立した日常生活を送るため、理学療法士(PT)、作業療法士(OT)、言語聴覚士(ST)が訪問してリハビリテーションをするサービス

通所介護(デイサービス)・通所リハビリテーション

l  通所介護は利用者ができるだけ自宅で自立した日常生活を送るため、施設が日常生活の支援、レクリエーションなどを日帰りで提供するサービス

l  通所リハビリテーションは利用者ができるだけ自宅で自立した日常生活を送るため、施設がリハビリテーションを日帰りで提供するサービス

短期入所生活介護(ショートステイ)

l  利用者ができるだけ自宅で自立した日常生活を送るため、短期入所した施設が日常生活の支援、リハビリテーションなどをするサービス

短期入所療養介護

l  利用者ができるだけ自宅で自立した日常生活を送るため、短期入所した医療機関、介護老人保健施設、介護医療院が日常生活の支援、医療、看護、リハビリテーションをするサービス

特定施設入居者生活介護

l  利用者ができるだけ自宅で自立した日常生活を送るため、有料老人ホームや軽費老人ホームが日常生活の支援やリハビリテーションをするサービス

福祉用具貸与

l  利用者ができるだけ自宅で自立した日常生活を送るため、指定された事業者がニーズに合った福祉用具を貸与するサービス

特定福祉用具販売

l  利用者ができるだけ自宅で自立した日常生活を送るため、指定された事業者がニーズに合った福祉用具を販売するサービス

定期巡回・随時対応型訪問介護看護

l  利用者ができるだけ自宅で自立した日常生活を送るため、24時間365日必要な支援を看護師や訪問介護員がニーズのあるタイミングで柔軟に提供するサービス

夜間対応型訪問介護

l  利用者ができるだけ自宅で自立した日常生活を送るため、夜間帯に訪問介護員が訪問して定期巡回と随時対応をするサービス

地域密着型通所介護

l  利用者ができるだけ自宅で自立した日常生活を送るため、地域密着型の施設が日常生活の支援やリハビリテーション、送迎をするサービス

認知症対応型通所介護

l  認知症の利用者ができるだけ自宅で自立した日常生活を送るため、施設が日常生活の支援やリハビリテーションを日帰りで提供するサービス

小規模多機能型居宅介護

l  利用者ができるだけ自宅で自立した日常生活を送るため、利用者の選択に応じて日常生活の支援やリハビリテーションを宿泊や日帰りを組み合わせて提供するサービス

認知症対応型共同生活介護(グループホーム)

l  入所した認知症の利用者ができるだけ自立した日常生活を送るため、グループホームが家庭的な環境と地域住民との交流のもとで日常生活の支援やリハビリテーションをするサービス

地域密着型特定施設入居者生活介護

l  入所した利用者ができるだけ自立した日常生活を送るため、有料老人ホームや軽費老人ホームが日常生活の支援やリハビリテーションをするサービス

地域密着型介護老人福祉施設入所者生活介護

l  入所した利用者ができるだけ自立した日常生活を送るため、特別養護老人ホームが日常生活の支援、リハビリテーション、療養上の世話をするサービス

複合型サービス(看護小規模多機能型居宅介護)

l  利用者ができるだけ自立した日常生活を送るため、利用者の選択に応じて日常生活の支援、リハビリテーション、療養上の世話、診療の補助を宿泊、日帰り、自宅への訪問を組み合わせて提供するサービス

居宅介護支援

l  利用者ができるだけ自立した日常生活を送るため、ケアマネジャーがケアプランを作成し、それに基づいた適切な支援が受けられるよう事業者との連絡・調整をするサービス

介護福祉施設サービス(特別養護老人ホーム)

l  入所した利用者ができるだけ在宅生活に復帰できるよう、日常生活の支援、リハビリテーション、療養上の世話を提供するサービス

介護保健施設サービス(老健)

l  入所した利用者ができるだけ在宅生活に復帰できるよう、リハビリテーションや必要な医療、介護を提供するサービス

介護医療院サービス

l  入所した長期療養が必要な利用者ができるだけ自立した日常生活を送るため、療養上の管理、看護、介護、リハビリテーションを提供するサービス

介護予防訪問入浴介護

l  予防給付の中で行われる、利用者ができるだけ自宅で自立した日常生活を送るため、身体の清潔維持や、ADL(日常生活動作)の向上を目的として持参した浴槽で入浴の介護をするサービス

介護予防訪問看護

l  予防給付の中で行われる、疾患を持つ利用者ができるだけ自宅で自立した日常生活を送るため看護師が訪問して医師の指示の下療養上の世話や診療の補助をするサービス

介護予防訪問リハビリテーション

l  予防給付内で行われる、利用者ができるだけ自宅で自立した日常生活を送るため、理学療法士(PT)、作業療法士(OT)、言語聴覚士(ST)が訪問してリハビリテーションをするサービス

介護予防通所リハビリテーション

l  予防給付内で行われる、利用者ができるだけ自宅で自立した日常生活を送るため、施設がリハビリテーションを日帰りで提供するサービス

介護予防短期入所生活介護

l  予防給付内で行われる、利用者ができるだけ自宅で自立した日常生活を送るため、短期入所した施設が日常生活の支援、リハビリテーションなどをするサービス

介護予防短期入所療養介護

l  予防給付内で行われる、利用者ができるだけ自宅で自立した日常生活を送るため、短期入所した医療機関、介護老人保健施設、介護医療院が日常生活の支援、医療、看護、リハビリテーションをするサービス

介護予防特定施設入居者生活介護

l  予防給付内で行われる、利用者ができるだけ自宅で自立した日常生活を送るため、有料老人ホームや軽費老人ホームが日常生活の支援やリハビリテーションをするサービス

介護予防福祉用具貸与

l  予防給付内で行われる、利用者ができるだけ自宅で自立した日常生活を送るため、指定された事業者がニーズに合った福祉用具を貸与するサービス

特定介護予防福祉用具販売

l  予防給付内で行われる、利用者ができるだけ自宅で自立した日常生活を送るため、指定された事業者がニーズに合った福祉用具を販売するサービス

介護予防認知症対応型通所介護

l  予防給付内で行われる、認知症の利用者ができるだけ自宅で自立した日常生活を送るため、施設が日常生活の支援やリハビリテーションを日帰りで提供するサービス

介護予防小規模多機能型居宅介護

l  予防給付内で行われる、利用者ができるだけ自宅で自立した日常生活を送るため、利用者の選択に応じて日常生活の支援やリハビリテーションを宿泊や日帰りを組み合わせて提供するサービス

介護予防認知症対応型共同生活介護

l  予防給付内で行われる、入所した認知症の利用者ができるだけ自立した日常生活を送るため、グループホームが家庭的な環境と地域住民との交流のもとで日常生活の支援やリハビリテーションをするサービス

 

介護サービスのうち、居宅療養管理指導、介護予防支援は報告対象にはなりません。

一方「サービス付き高齢者向け住宅」のうち、「特定施設入居者生活介護」と「地域密着型特定施設入居者生活介護」とみなされるものは報告対象となります。

また介護保険法における「みなし指定」の事業者である保健医療機関も報告対象となります。

自分の運営するサービスが報告対象かどうか調べ曖昧にしておかないことが重要です。

参考:厚生労働省 介護事業所・生活関連情報検索「公表されている介護サービスについて」

報告の対象とするサービス

報告の対象となるのは介護サービス事業に関する事項のみです。

ただし、医療サービスや障がい福祉サービスも行っている介護サービス事業者で、医療サービスや障がい福祉サービスと介護サービスの収益や費用がわけて記載されていない場合はその部分を除外せずに報告しても問題ありません。

報告する内容

報告する具体的な経営情報は以下の通りです。

項目

概要

事業所や施設の名前、所在地、基本情報

1.     事業所や施設の名前

2.     法人などの名前

3.     法人番号

4.     介護事業所番号

5.     介護事業所で提供しているサービスの種類

6.     法人などの会計年度末

7.     法人などが使っている会計基準

8.     消費税の経理方式

事業所や施設の収益と費用の内容

1.     介護事業収益

2.     介護事業費用

3.     事業外収益

4.     事業外費用

5.     特別収益

6.     特別費用

7.     法人税、住民税、事業税の金額

事業所や施設の職種別の人数

l  次の職種別の人数

1.     管理者

2.     医師

3.     歯科医師

4.     薬剤師

5.     看護師

6.     准看護師

7.     介護職員(介護福祉士)

8.     理学療法士

9.     作業療法士

10.   言語聴覚士

11.   柔道整復師・あん摩マッサージ師

12.   生活相談員・支援相談員

13.   福祉用具専門相談員

14.   栄養士・管理栄養士

15.   調理

16.   事務職員

17.   その他の職員

18.   上記のうち介護支援専門員・計画作成担当者

19.   上記のうち訪問介護のサービス提供責任者

l  上記の職種別の給与と賞与

その他

1.     複数の介護サービス事業の有無

2.     介護サービス事業以外の事業(医療・障がい福祉サービス)の有無 

3.     医療における事業収益

4.     医療におけるのべ在院者数

5.     医療における外来患者数

6.     障がい福祉サービスにおける事業収益

7.     障がい福祉サービスにおける延べ利用者数

 

職種別の人数については、会計年度の初月に給与を支払った職員の数を報告しましょう。

また収益や費用の項目については、厚生労働省老健局が202482日に発信した「介護保険最新情報Vol.1297」に詳細な内容が記載してあるので確認してみてください。

報告の方法

報告は、厚生労働省が運営する「介護事業財務情報データベースシステム(仮称)」で行うこととなっています。

このシステムを使うにはGビズIDを取得する必要があります。

GビズIDとは、インターネットで行政サービスにログインできる事業者向けの無料で使用可能なID・パスワードのことです。

すでに他の行政サービスの利用のためにGビズIDを取得していれば新たに作り直す必要はありませんが、もしGビズIDを使用していなければ、早めに作っておくのが望ましいでしょう。

参考:デジタル庁「GビズID」

報告期限

報告の期限は毎年の会計年度終了後3か月以内です。

ただし、2024年度分の報告については、報告期限が2024年度末までとなっています。

報告期限を超過してしまわないためにも、報告内容やGビズIDの準備には早めに取り掛かりましょう。

参考:厚生労働省「介護保険最新情報Vol.1297」

参考:厚生労働省「『介護サービス事業者経営情報の報告等に関するQ&A』の発出について」

介護サービス事業者における経営情報の報告制度の今後のスケジュール

厚生労働省では、介護サービス事業者における経営情報の報告制度について、今後は次のようなスケジュールで進めるとしています。

項目

概要

2024年7

l  報告内容や報告の方法についての通知を発信

2024年秋

l  介護事業財務情報データベースシステム(仮称)の操作マニュアルと動画の公表

2025年1月以降

l  介護事業財務情報データベースシステム(仮称)の運用開始

l  2024年度分の報告開始

2025年3月末

l  2024年度分の報告締め切り

 

スケジュールについては曖昧な部分もあるため、最新情報を厚生労働省のホームページからチェックするようにしましょう。

参考:厚生労働省「介護サービス事業者の経営情報の調査及び分析等」

介護事業所を対象にコンサルティングサービスを提供しています

株式会社プレゼンス・メディカルでは介護事業者を対象にコンサルティングサービスを提供しています。

今後は競合する他の介護サービス事業者の経営情報に利用者が目を通せるようになる分、同じようなサービスだけを提供していると自分の運営する事業所が選ばれにくくなってしまうでしょう。

そのような時、株式会社プレゼンス・メディカルでは最新のAIを使って経営状況の改善を目指すようご提案しています。

既存のサービスにAIを活用することで、競合する事業所にはない付加価値の高いサービスを提供できるようになるためです。

これを機会に経営改善を目指したい方は、次のページもごらんください。

既存商品・サービスにAIを活用することで、新たな付加価値を創造し、販路拡大を狙う企業が増えています。 (presence-m.com)

まとめ

介護サービス事業者における経営情報の報告制度とは、介護サービス事業者の経営情報の収集とデータベースの整備をし、収集した情報を国民に分かりやすく公表する制度のことを指します。2024年4月から、介護サービス事業者の経営情報を収集・公表する新しい報告制度が開始されます。この制度は3年に一度の経営実態調査を補完し、支援策検討に役立てるために導入されます。報告は基本的に全事業者が対象で、内容には収益・費用や職種別の人数が含まれます。情報は「介護事業財務情報データベースシステム」に管理され、利用者がサービスを選択しやすくなるとともに、事業者間の差別化が重要になります。プレゼンス・メディカルは、AIを活用したコンサルティングで経営改善を支援しています。

 


本記事は発表当時のデータに基づき、一般的な意見を提供しております。経営上の具体的な決断は、各々の状況に合わせて深く思案することが求められます。したがって、専門家と話し合いながら適切な決定を下すことを強く推奨します。この記事を基に行った判断により、直接的または間接的な損害が発生した場合でも、我々はその責任を負いかねます。

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2025年に向け必要とされている
介護職員の医療的ケア。

2025年に向け必要とされている介護職員の医療的ケア。
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