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介護業界におけるスポットワークとは?現場での活用方法をご紹介
著者/監修プロフィール

株式会社プレゼンス・メディカル 創業会長兼CEO今西和晃
/ Tomoaki Imanisih

2014年、介護・福祉施設の経営課題解決を目的にコンサルティング会社を創業し、認定特定行為業務従事者育成事業をスタート。全国12,500施設、4,000法人超への支援実績を持ち、500名以上の経営者との対話を通じて現場ニーズに応えてきました。2023年AI事業開始、2025年にホールディングス体制へ移行。介護施設経営の安定化を実現するプロフェッショナル人材を育成中。2040年に介護福祉業界で最も影響力を持つ組織となるという目標に向けて、業界全体の発展と未来を切り拓くべく挑戦を続けています。

2026.06.02

介護業界におけるスポットワークとは?現場での活用方法をご紹介

 

要約:

介護業界におけるスポットワークとは、介護施設や介護事業所が短時間・単発で人材を確保する働き方のことです。急な欠勤対応や人手不足解消に役立つ一方、教育コストや利用者との関係構築が課題となる場合もあります。この記事では、スポットワークと単発バイトの違い、スポットワーカーの現状、介護現場で任されている業務内容、労務管理上の注意点を解説しています。また、事前準備や業務分担、マニュアル整備など、現場で円滑に活用するための具体的なポイントについても詳しく紹介しています。

運営している介護事業所が人手不足で困っているため、スポットワークで働いてくれる人を探したいけれど、うまく現場が回るか心配で悩んでいる人はいませんか?

この記事では、介護業界におけるスポットワークとは何かから現場での活用方法まで詳しくご紹介します。

介護業界におけるスポットワークとは?

一般社団法人スポットワーク協会では、スポットワークを「短時間・単発の就労を内容とする労働契約のもとで働くこと」と定義づけています。

介護業界におけるスポットワークとは、介護施設や介護事業所が、短時間・単発で人材を確保する働き方のことです。

スポットワークで雇用契約を結んだ場合、介護事業所と労働者の関係は雇用契約関係となるため、介護事業所は労働基準法などの労働関係法令を守る必要があります。

一方業務委託契約を結んだ場合、一般的な雇用契約とは異なり、労働基準法の適用対象外となるケースがあります。

ただし、実際の働き方によっては「雇用契約」と判断される可能性もあるため注意しましょう。

参考:一般社団法人スポットワーク協会「スポットワークFAQ」

スポットワーク単発バイトの違い

単発バイトとは、1日〜数日、または数週間程度の短期間のみ働くアルバイトのことです。

スポットワークと単発バイトの違いは以下の通りです。

項目

スポットワーク

単発バイト

働く期間

数時間〜1日単位が中心

1日〜数日程度が多い

契約形態

雇用契約を結ぶ場合もあるが業務委託が多い

雇用契約または派遣契約

給与の支払い

即日払い・当日払いが多い

月払い・週払いが多い

マッチング方法

アプリ上で即応募・即採用

求人応募→連絡→採用の流れ

面接

しないことが多い

することもある

シフト

空き時間に自由応募

事前シフト提出が必要な場合あり

勤務開始までの期間

最短当日勤務可能

数日〜1週間程度かかることも

スキル

即戦力重視

未経験可も多い

事業所側の目的

急な人手不足への対応

短期人材の確保

また介護の仕事には単発バイトよりスポットワークでの採用の方が向く理由は次の通りです。

  • 急な欠勤・離職が発生しやすく、即日で人材確保したい場面が多い
  • 数時間だけ人手が足りないケースがある(入浴介助・食事介助の時間帯など)
  • 慢性的な人手不足で必要な時だけ人員補充したいというニーズが強い
  • アプリ上で即マッチングでき、採用コストを抑えやすい
  • 派遣よりコストを抑えられる場合がある
  • 短時間勤務でも応募が集まりやすい
  • 夜勤専従や早朝のみなど、限定条件でも募集しやすい

ただし利用者との関係構築が難しく、教育コストが発生するといったデメリットもあるため、スポットワークの活用を行いさえすれば、介護事業所の採用に関する課題がすべて解決するわけではないのを知っておきましょう。

スポットワーク仕事をする人の現状

介護業界も含めてスポットワークで仕事をする人の現状を7つの観点からご紹介します。

スポットワークで働こうと思った理由

連合「スポットワークに関する調査2025」よりスポットワークで働こうと思った理由のグラフ

画像出典:連合「スポットワークに関する調査2025」 

2025年に日本労働組合連合会が公表した「スポットワークに関する調査2025」では、全国に住む15歳以上のスポットワークで働いている人またはスポットワークで働いたことがある人1,000人に対し、インターネット調査を行いました。

スポットワークで働こうと思った理由をたずねた所、「生活のために収入を得たいから」が27.1%、「賃金がすぐに受け取れるから」が18.4%で45.5%と約半数を占め、収入をなるべく早く得たい人が多いのがわかります。

一方9.5%の人が「成果や責任を強く求められたくないから」と回答しており、仕事そのものに消極的な人が一定数含まれているのも特徴的です。

介護でスポットワークを活用する場合、なるべく給与を当日払いとし、事業所の介護職員よりも責任の軽い仕事をしてもらうように配慮すると、人材が集まりやすくなるでしょう。

契約形態の確認

「スポットワークに関する調査2025」よりスポットワークで従事したことがある仕事の内容についてのグラフ

画像出典:連合「スポットワークに関する調査2025

「スポットワークに関する調査2025」において、スポットワーカーに契約形態について確認したかどうかについてたずねたところ、全体の39.4%の人が「確認していない」と回答しました。

介護でスポットワークを活用する場合、トラブルを防止するためにも契約書の内容を必ず確認するよう再度現場でも促すのが望ましいでしょう。

仕事の内容

「スポットワークに関する調査2025」よりスポットワークで従事したことがある仕事の内容についてのグラフ

画像出典:連合「スポットワークに関する調査2025」

「スポットワークに関する調査2025」において、スポットワーカーに対しスポットワークで従事したことがある仕事の内容についてたずねたところ、介護スタッフと回答した人は5.3%でした。

全体の中では決して多い数値ではありませんが、介護業界でも少しずつスポットワークの活用が進んできているのがわかります。

自分の運営する介護事業所において、スポットワーカーに振り分けられる仕事にはどのようなものがあるか検討してみると、活用への第一歩が踏み出せるでしょう。

介護業界においてスポットワークで働く人の資格取得状況

スポットワーク研究所「介護業界におけるスポットワークの活⽤実態と有効性に関するレポート」より資格保有についてのグラフ

画像出典:スポットワーク研究所「介護業界におけるスポットワークの活⽤実態と有効性に関するレポート」

2025年10月にスポットワーク研究所が公表した「介護業界におけるスポットワークの活用実態と有効性に関するレポート」において、介護業界におけるスポットワーク経験者253名に対し、介護関連の資格を保有しているかたずねた所、80.2%の人が保有していると回答しました。

このことから介護業界でスポットワークを依頼した場合、ある程度の仕事の質が担保できると言えるでしょう。

一方保有している介護資格は何かをたずねた所、介護職員初任者研修の修了者が57.1%、介護福祉士が44.3%、介護福祉士実務者研修の修了者が17.2%という結果でした。

このことから本人の希望する働き方や給与と自分の運営する介護事業所での人材ニーズがマッチした場合、長期での採用を考えるのも1つの方法だと言えるでしょう。

介護業界におけるスポットワークで働く人が行う業務

スポットワーク研究所「介護業界におけるスポットワークの活⽤実態と有効性に関するレポート」より介護施設で担当した業務についてのグラフ

画像出典: スポットワーク研究所「介護業界におけるスポットワークの活⽤実態と有効性に関するレポート」

 

「介護業界におけるスポットワークの活用実態と有効性に関するレポート」において、介護施設でどのような業務を担当したのかをたずねた所、上記画像のような結果でした。

「食事の配膳・下膳」「利用者との交流」「食事の準備・片付け」といった身体介護を含まない業務が上位を占めたものの、「入浴介助」「バイタルチェック」「服薬管理・服薬介助」といったそれなりに責任のある業務も任されているのが特徴的と言えるでしょう。

自分の運営する介護事業所においてはスポットワーカーにどのような業務までなら任せられるかを、上記のアンケート結果や現場の状況も踏まえ、しっかりと検討してから受け入れを行うのが望ましいでしょう。

スポットワークにおける賃金

「スポットワークに関する調査2025」より1か月平均でどの程度収入を得たかのグラフ

画像出典:連合「スポットワークに関する調査2025」

「スポットワークに関する調査2025」において、1か月平均でどの程度収入を得たかをたずねてみた所、5,000円未満が22.6%を占め1位でした。

次いで5,000円~10,000円未満が15.6%、10,000円~20,000円未満が15.0%だったことから、スポットワーカーとして働く人たちはそれほど大きな収入を得ているわけではないのがわかります。

自分の運営する介護事業所でスポットワーカーを募集する際には必ず賃金を検討しなければなりませんが、このような相場を知っておき、参考にするのは利益を確保する上でも重要なことです。

人材定着や長期採用の実現

スポットワーク研究所「介護業界におけるスポットワークの活⽤実態と有効性に関するレポート」より人材の定着・長期採用の実現についてのグラフ

画像出典:スポットワーク研究所「介護業界におけるスポットワークの活⽤実態と有効性に関するレポート」

「介護業界におけるスポットワークの活用実態と有効性に関するレポート」において、タイミーでマッチングした人材が長期採用やリピーター化の形で定着したかどうかをたずねた所、上記画像のような結果となりました。

定着の実現が80.2%のため、介護業界においてはスポットワークの活用が人手不足の解消にも一役買っているのがわかります。

また長期採用のみ実現したことがある介護事業所が14.3%、リピーター化と両方実現したことがある事業所が33.8%で両方の合計が48.1%を占めています。

これらのことから、介護業界においてスポットワークを活用すると事業所のニーズに合った職員を実際の業務に携わってもらった上で採用しやすくなり、マッチングに成功すれば人材の定着にもつながると言えるでしょう。

参考:連合「スポットワークに関する調査2025」

参考:スポットワーク研究所「介護業界におけるスポットワークの活⽤実態と有効性に関するレポート」

介護業界においてスポットワークで働く人材を活用するためのポイント

介護業界においてスポットワークで働く人材を活用するためのポイントを3つの観点からご紹介します。

労務管理について理解する

スポットワークを活用するなら、介護事業所側がスポットワークにおける労務管理について正しく理解しておく必要があります。

厚生労働省が作成した「『知らない』では済まされない『スポットワーク』の労務管理」の」資料において発信されている、スポットワークにおける労務管理のポイントは以下の通りです。

項目

概要

契約者の確認

  • スポットワークは、事業主とスポットワーカーが直接労働契約を締結するため、労働基準法などの法令を守る義務は、労働契約を締結した事業主に生じる

労働契約の成立時期

  • 労働契約が成立すると労働関係法令が適用される
  • 別途特段の合意がなければ、介護事業所が掲載した求人にスポットワーカーが応募した時点で労使双方の合意があったものとして労働契約が成立するものと一般的には考えられている

関係法令の順守

  • スポットワーカーに労働条件を明示する
  • 労働基準法を順守する

スポットワーカーの休業

  • 労働契約が成立した後介護事業所の都合で丸1日の休業や仕事の早上がりをさせることになった場合は、労働基準法第26条の「使用者の責に帰すべき事由による休業」となるため、スポットワーカーに対し、所定の支払日までに休業手当を支払わなければならない

始業・終業時刻の設定

  • 業務の準備時間、業務の後始末の時間、待機時間も労働時間として取り扱う

賃金・交通費

  • 労働条件通知書で示した額を介護事業所が一方的に減額したり、別途支払うとしていた交通費を支払わなかったりすると労働基準法違反となる

労働時間

  • 予定していた労働時間と実際の労働時間がずれた場合は速やかに労働時間を確定させなければならない

労災保険

  • スポットワーカーが通勤の途中または仕事中にケガをした場合、就労先の事業について成立する保険関係に基づき労災保険給付を受けられる

介護事業所の義務

  • 労働災害防止対策、ハラスメント対策は事業主の義務となる

自分の運営する介護事業所がうっかり法令違反をしてしまわないようにするためにも、法令順守でスポットワーカーを活用する姿勢が重要です。

参考:厚生労働省「『知らない』では済まされない『スポットワーク』の労務管理」

事前の受け入れ準備を行う

介護事業所でスポットワークを活用したいなら、人手不足だからといきなり採用するのではなく、事前の受け入れ準備をしっかりと行うのがおすすめです。

具体的には以下のようなことをあらかじめ行っておくのがよいでしょう。 

  • 即戦力として期待しすぎないようにすること、名前で呼ぶことを常勤の介護職員に共有しておく
  • 業務開始時に必ずオリエンテーションを行う
  • 業務を分解して常勤の介護職員も含めた分担をあらかじめ決めておく

業務の分解についてですが、介護職員が普段行っている業務は身体介護、生活援助、記録と多岐に渡りますが、まずは人手が足りない業務を「無資格者でもできること」「有資格者でないとできないこと」の2つに大きく分けることができます。

その中で時間別に、例えば昼食時には有資格者には食事介助、無資格者には配膳といった形で業務を分担していくとスポットワーカーがそれぞれの作業に取り組みやすくなるでしょう。

うまくいかない点は仕組みを整える

介護事業所側でどれだけスポットワーカーを迎える準備を整えたとしても、まずは一度活用してみなければ現場における課題は見えてきません。

もし一度スポットワークを活用してみて現場がうまく回らなかったとしたら、個人の能力にその原因を求めるのではなく、現場の仕組み化で解決できないかを模索してみましょう。

具体的には次のようなことを行ってみるのをおすすめします。 

  • マニュアルの整備
  • 指示やフォローをする職員の明確化
  • 属人化している業務をスポットワーカーにも振っていないか確認する

上記のような仕組み化を行うと、スポットワーカーが働きやすい介護事業所になるだけではなく、新人職員や外国人労働者にとっても働きやすい介護事業所へと変化していきます。

新しく働く人たちが働きやすい介護事業所になれば、将来的な離職率や人手不足の改善にもつながっていくかもしれません。

せっかくスポットワークを活用すると決めたなら、それをきっかけに自分の運営する介護事業所全体を働きやすい職場へと改革していくことをおすすめします。 

株式会社プレゼンス・メディカルではスポットワーカーの方も働きやすい介護の職場作りをサポートしています

株式会社プレゼンス・メディカルロゴ

株式会社プレゼンス・メディカルではスポットワーカーの方と常勤介護職員双方が働きやすい介護の職場作りをサポートしています。

具体的には職場環境改善コンサルティングサービスにおいて、以下のような内容をご提案しているのです。

項目

概要

多様な人材が働きやすく満足できる職場への改善

  • 働きやすさを重視した環境作り
  • 働きがいの向上とキャリア支援
  • チームの定着率と生産性の向上

オリジナルの人材育成プログラムによる育成支援

  • 女性のキャリア継続支援コンサルティング
  • 勤務時間の柔軟化コンサルティング
  • 育児・介護支援プログラムの導入
  • 女性の管理職・リーダー候補向けメンター制度の導入
  • ハラスメント防止と心理的安全性の向上
  • 多様な人材のための採用・定着支援
  • 多文化共生のためのコミュニケーション・トレーニング
  • 公正・公平な人事評価制度の再構築
  • 個々のキャリアパスとスキルアップ支援
  • 多様性を活かしたチームビルディング

 

株式会社プレゼンス・メディカルでは多様性を生かし、常勤介護職員とスポットワーカー双方が生き生きと働ける介護事業所を多数作ることが、持続可能な介護業界を生み出すことにもつながると考えています。

スポットワーカーを採用してみたもののうまく定着させられなかった方、これから積極的にスポットワーカーを活用してみたくなった方は次のページからお問い合わせください。

お問い合わせ | 喀痰吸引等研修の講習・資格・介護・福祉の研修実績|株式会社プレゼンス・メディカル

まとめ

介護業界におけるスポットワークとは、介護施設や介護事業所が、短時間・単発で人材を確保する働き方のことです。

この記事も参考にして、ぜひ自分の事業所に合ったスポットワーカーの活用方法を模索してみてください。

※本記事は発表当時のデータに基づき、一般的な意見を提供しております。経営上の具体的な決断は、各々の状況に合わせて深く思案することが求められます。したがって、専門家と話し合いながら適切な決定を下すことを強く推奨します。この記事を基に行った判断により、直接的または間接的な損害が発生した場合でも、我々はその責任を負いかねます。

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2025年から本格化する後期高齢者対策と医療的ケア対応を視野に入れ、
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利用者が安心して暮らせる環境を整えるには、喀痰吸引をはじめとする医療的ケア資格の取得が必須です。
認定特定行為業務従事者を着実に増やすことで、質の高いケア体制を定着させ、介護事業経営の安定と持続的な成長を支援いたします。