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介護美容とは?目的から導入事例まで詳しく解説
著者/監修プロフィール

株式会社プレゼンス・メディカル 創業会長兼CEO今西和晃
/ Tomoaki Imanisih

2014年、介護・福祉施設の経営課題解決を目的にコンサルティング会社を創業し、認定特定行為業務従事者育成事業をスタート。全国12,500施設、4,000法人超への支援実績を持ち、500名以上の経営者との対話を通じて現場ニーズに応えてきました。2023年AI事業開始、2025年にホールディングス体制へ移行。介護施設経営の安定化を実現するプロフェッショナル人材を育成中。2040年に介護福祉業界で最も影響力を持つ組織となるという目標に向けて、業界全体の発展と未来を切り拓くべく挑戦を続けています。

2026.07.01

介護美容とは?目的から導入事例まで詳しく解説

要約:

介護美容とは、高齢者や要介護者を対象に、メイクやネイル、ヘアケア、スキンケアなどの美容サービスを提供し、心身の健康維持や生活の質(QOL)の向上を目指す取り組みです。本記事では、介護美容の目的や期待される効果、注目される背景、介護事業所・介護施設で導入するメリット・デメリット、提供されるサービス内容、導入事例まで詳しく解説します。競合他社との差別化や利用者満足度向上を目指す事業者の方は、ぜひ参考にしてください。

 

自分の運営する介護施設において、競合他社との差別化のために介護美容を取り入れてみようと検討しているけれど、何から始めればよいかわからず困っている人はいませんか?

この記事では、介護美容の目的から導入事例まで詳しく解説します。

介護美容とは

介護美容サービスでネイルケアを受けて喜ぶ女性利用者

介護美容とは、高齢者や要介護者を対象に、メイクやネイル、ヘアケア、スキンケアなどの美容サービスを提供し、心身の健康維持や生活の質(QOL)の向上を目指す取り組みです。

近年は利用者満足度の向上や競合する事業所や施設との差別化につながるサービスとして注目されています。

介護美容を行う目的

介護美容を行う主な目的は次の5つです。

項目

概要

利用者の自己肯定感や自信を高める

メイクや整容によって「自分らしさ」を取り戻し、前向きな気持ちを引き出す

心身の健康維持をサポートする

美容ケアによるコミュニケーションや外見への関心が、意欲向上や認知機能の維持につながることが期待される

社会参加やコミュニケーションを促進する

身だしなみを整えることで外出意欲や他者との交流意欲が高まり、孤立防止につながる

生活の質(QOL)の向上を目指す

日常生活に楽しみや生きがいを見出す

介護サービスの付加価値を高める

利用者や家族の満足度の向上につながり、競合する事業所や施設との差別化に役立つ

介護美容は利用者個人の美容ケアだけを目的とするのではなくQOL向上や社会参加を促し、介護サービスの価値向上にもつながる取り組みだと言えるでしょう。 

介護美容効果

介護美容を行うことにより期待できる効果は以下の通りです。

項目

概要

日常生活における意欲の向上

メイクやネイル、ヘアケアによって気分が高まり、日常生活への意欲が向上することが期待される

コミュニケーションの活性化

美容をきっかけに会話が生まれ、利用者同士や職員との交流が増える

外出や社会参加への意欲向上

身だしなみを整えることで、「外に出たい」「人に会いたい」という気持ちが芽生えやすくなる

自己肯定感や生きがいの向上

「きれいになった」「自分らしく過ごせる」と感じることで、自信や満足感を得られる

利用者・家族の満足度向上

利用者本人だけでなく家族からも好意的に受け止められやすく、施設や事業所への信頼向上につながる

介護美容には、利用者の意欲向上やコミュニケーションの活性化、社会参加の促進などの効果が期待されているだけではなく、利用者や家族の満足度向上にもつながるため、介護サービスの付加価値を高める取り組みとして注目されています

介護美容が注目される背景

介護美容が注目される背景には、どのようなことがあるのでしょうか。

3つご紹介します。

出張理容と出張美容の対象変更

2026年に厚生労働省が発信した「理容師法施行令第4条第1号及び美容師法施行令第4条第1号に基づく 出張理容・出張美容の対象等について(一部改正)」という通知において、出張理容と出張美容の対象者が変更されました。

通知には、今後出張理容・出張美容の対象となるのは、病気にかかっている人のほか、骨折、認知症、障害、寝たきりなどの要介護状態にある人で、日常生活の状況や社会環境により美容室や理容室に通うのが困難な人と記載されています。

これにより要介護状態の人が出張美容の形で介護美容を受けることが可能となったため、今後介護美容を受けたいと希望する人の増加が予想されます。

ただし理容師法美容師法において理容や美容は原則として理容所・美容所で行うと定められているため、この趣旨を理解した運用を行う必要があり、対象ではない人に出張理容や出張美容を行った場合理容師法または美容師法違反となることを覚えておきましょう。

参考:厚生労働省「理容師法施行令第4条第1号及び美容師法施行令第4条第1号に基づく出張理容・出張美容の対象等について(一部改正)」

認知度の向上

株式会社ミライプロジェクトの介護美容に関するアンケート調査より「介護美容」の言葉の認知についてのグラフ

株式会社ミライプロジェクトの介護美容に関するアンケート調査より介護・医療関係者の「介護美容」の言葉の認知についてのグラフ

株式会社ミライプロジェクトの介護美容に関するアンケート調査より「介護美容」におけるサービス内容の理解度についてのグラフ

画像出典:PR TIMES「【調査レポート】「介護美容」の認知拡大。一般生活者で3人に1人、介護・医療関係者で2人に1人へ」

2026年株式会社ミライプロジェクトが行ったインターネット調査において、全国の10代〜70代の男女を対象に「介護美容」という言葉を知っているかたずねた所、2025年には「知っている」「少し知っている」と回答した人が全体の24.6%だったのが、2026年には34.5%に増加しました。

また介護・医療業界の関係者626名を対象に「介護美容」という言葉を知っているかたずねた所、「知っている」「少し知っている」と回答した人が全体の50.2%を占めました。

これらのことから一般の人、介護・医療業界の人双方において介護美容の認知度が上がってきているのがわかります。

一方介護美容という言葉を認知している一般の人487名を対象に、介護美容のサービス内容を正しく理解しているかどうかを確認したところ、2025年は正しく理解している人が12.4%だったのが、2026では18.1%に増加しました。

このことから介護美容については言葉そのものの認知度だけではなく、内容への認知度も高まりつつあるため、注目が集まっていると言えるでしょう。

市場規模の拡大

経済産業省「令和5年度ヘルスケア産業基盤高度化推進事業(ヘルスケアサービス市場等に係る調査事業)」より2020年の市場規模と2050年の市場規模の推計結果を示す表

画像出典:経済産業省「令和5年度ヘルスケア産業基盤高度化推進事業(ヘルスケアサービス市場等に係る調査事業)

2023年に経済産業省が公表した「令和5年度ヘルスケア産業基盤高度化推進事業(ヘルスケアサービス市場等に係る調査事業)」において、健康づくり・介護産業の市場規模を推計したところ、上記画像のような結果でした。

エステ・リラクゼーションサービスなどを含む健康づくり産業の中の「癒」は、2020年の市場規模が1.1兆円でしたが、2050年には2.6兆円と2倍以上に拡大することが予想されています。

この流れで介護美容の市場もさらに拡大すると予想できるため、今から注目が集まっているのです。

介護美容介護事業所や介護施設で行うメリット

介護美容を介護事業所や介護施設で行うメリットは次の通りです。

項目

概要

利用者の満足度の向上

美容を楽しむ機会を提供することで、利用者の生活満足度やサービスへの満足度向上が期待できる

家族の満足度の向上

利用者の明るい表情や前向きな変化を家族が実感しやすいため、施設・事業所への信頼向上につながる

競合する他の事業所や施設との差別化

介護保険サービスに加えて美容ケアを提供することで、独自のサービスとしてアピールできる

事業所や施設のイメージアップ

利用者のQOL向上に取り組む姿勢を発信することで、地域や利用者家族からの評価向上が期待できる

利用者と職員のコミュニケーション促進

美容をきっかけに会話が生まれやすくなり、利用者との関係性づくりやケアの質向上につながる可能性がある

介護美容は利用者や家族の満足度を向上させるだけではなく、事業所や施設におけるサービスの差別化やブランディングにもつながります。

介護美容介護事業所や介護施設で行うデメリット

介護美容を介護事業所や介護施設で行うデメリットとその解決策は以下の通りです。

項目

概要

導入・運営コストが発生する

最初はイベント形式や月1回など小規模に導入し、利用者や家族の反応を確認しながら段階的に拡大する

職員の業務負担が増える場合がある

外部の介護美容サービスを活用したり、実施日をあらかじめ決めたりすることで職員の負担を軽減する

利用者によってニーズや満足度に差がある

希望者を中心に実施し、メイクだけでなくハンドケアや整容など複数のメニューを用意して選択肢を広げる

 介護美容を介護事業所や介護施設で行う場合、導入コストや運営負担などの課題がありますが、実施方法を工夫することで負担を抑えながら取り入れることが可能です。

介護美容で提供されるサービス

介護美容で提供されるサービスには、どのようなものがあるのでしょうか。

5つご紹介します。

ヘアケア

介護美容におけるヘアケアとは、ブラッシングや整髪、ヘアアレンジなどを通じて髪を整えるサービスです。

ヘアケアで主に行われるサービスは次の通りです。

項目

概要

ブラッシング

  • 髪の絡まりを整え、清潔感のある状態を維持するためのケア
  • 頭皮への適度な刺激も期待できる

ヘアセット

  • 髪型を整え、利用者が自分らしいスタイルを楽しめるようサポートする

ヘアアレンジ

  • 編み込みやヘアアクセサリーの活用などにより、おしゃれを楽しむ機会を提供す

頭皮ケア

  • 頭皮を清潔に保ち、快適に過ごせるよう支援するケア
  • マッサージを取り入れる場合もある

整容・身だしなみケア

  • 前髪や髪の乱れを整え、清潔感のある印象づくりをサポートする

ヘアケアをすることで、利用者の清潔感の維持、気分転換、自己肯定感の向上などが期待できます。

スキンケア

介護美容におけるスキンケアとは、肌を清潔で健やかな状態に保つためのサービスです。

スキンケアで主に行われるサービスは以下の通りです。

項目

概要

洗顔ケア

肌の汚れを落とし、清潔な状態を保つためのケア

保湿ケア

化粧水や乳液、保湿クリームなどを使用し、肌の乾燥を防ぐ

フェイシャルケア

顔の肌を整え、健やかな状態を維持するためのケア

フェイシャルマッサージ

顔周りをやさしくケアし、リラックスできる時間を提供する

スキンコンディションチェック

肌の乾燥や状態を確認し、一人ひとりに合わせたケアにつなげる

スキンケアを行うことで、利用者の肌を健康で清潔な状態に維持できるだけではなく、ケアを受ける時間がリラクゼーションにもつながるでしょう。

メイク

介護美容におけるメイクとは、利用者の顔立ちや好みに合わせて化粧を行い、身だしなみを整えるサービスです。

メイクで主に行われるサービスは次の通りです。

項目

概要

ベースメイク

ファンデーションなどを使用し、肌を明るく健康的に見せるためのメイク

チークメイク

頬に自然な血色感を与え、明るく生き生きとした印象を演出する

リップメイク

口紅やリップカラーを使用し、顔全体を華やかな印象に整える

アイメイク

アイブロウやアイシャドウなどを活用し、目元を自然に整える

イベント向けメイク

誕生日会や季節の行事などに合わせて、特別感を演出するメイク

メイクには外見を整えるだけでなく、おしゃれを楽しむ機会の提供や自己肯定感の向上にもつながることが期待されています。 

ネイルケア

介護美容におけるネイルケアとは、爪を清潔で整った状態に保ちながら、おしゃれを楽しむ機会を提供するサービスです。

ネイルケアで主に行われるサービスは以下の通りです。

項目

概要

爪の長さ・形の調整

爪を適切な長さに整え、清潔で安全な状態を維持する

爪周りのケア

爪の汚れを落とし、指先を清潔な状態に保つ

爪の表面ケア

爪の表面を整え、健康的で美しい印象に仕上げる

ネイルカラー

利用者の好みに合わせて色を選び、おしゃれを楽しむ機会を提供する

季節・イベント向けネイル

季節行事やイベントに合わせたデザインを取り入れ、特別感を演出する

ネイルケアは指先が整うことで身だしなみの向上につながるほか、気分転換や自己表現のサポートも期待できます。

マッサージ

介護美容におけるマッサージとは、手や足、顔などにやさしく触れながら行う美容・リラクゼーションケアサービスです。

マッサージで主に行われるサービスは次の通りです。

項目

概要

ハンドマッサージ

手や指をやさしくケアし、リラックスできる時間を提供する

フットマッサージ

足や足裏をケアし、快適な時間を過ごせるようサポートする

フェイシャルマッサージ

顔周りをやさしくケアし、心地よさや気分転換につなげる

アームマッサージ

腕をやさしくケアし、リラクゼーションの機会を提供する

アロマを活用したケア

香りを取り入れながら行うことで、よりリラックスした時間を演出する

※事業所・施設の方針や利用者の状態に応じて実施

マッサージを行うことで利用者に心地よい時間を提供できるだけではなく、施術中の会話や触れ合いが、コミュニケーションの促進や気分転換につながることも期待されています。 

介護美容の導入事例

愛知県を中心にデイサービスを展開するふるさと株式会社では、美容特化型のデイサービスの運用を本格的に展開することで、稼働率を約90%という高水準にすることに成功しました。

ふるさと株式会社が運営するデイサービスでは、基本的なデイサービスを提供するだけではなく、ジェルネイル・ハンドトリートメント・フェイシャルトリートメントといった美容メニューの提供も行っています。

美容サービスを提供する以前は、デイサービスを受けても生きる気力そのものが低下している利用者が多く見られました。

また会社として集客にも課題を抱えていました。

しかし副社長が介護美容を導入することをひらめき、それを実行したところ、オープン前の内覧会では地域の利用者、家族、ケアマネジャーなど約200人が参加したのです。

結果的に美容特化型への改革が功を奏し競合他社との差別化に成功したため、高水準な稼働率の維持と口コミによる更なる集客へとつながったのです。

介護美容の導入が介護の現場の課題を解決し、売上アップと利用者のQOL向上につながった好事例だと言えるでしょう。

参考:介護美容マガジン「稼働率90%!“美容特化型”デイサービスが選ばれる理由とは?|ふるさと株式会社の導入事例

介護業界で競合他社との差別化に悩んでいる方は株式会社プレゼンス・メディカルにご相談ください

株式会社プレゼンス・メディカルロゴ

 

介護業界で競合他社との差別化、集客に悩んでいる方は株式会社プレゼンス・メディカルにご相談ください。

株式会社プレゼンス・メディカルでは集客に悩まれる介護事業所や介護施設の経営者の皆様に対し、最新の介護テクノロジーやAI技術の活用による競合他社との差別化をご提案しています。

具体的には以下のようなサービスを提供しています。

  • (ご利用者向け)AIを活用したコミュニケーション支援サービス
  • (ご利用者向け)AIを活用した介護施設のロボット活用・見守り・セキュリティサービス
  • (従業員向け)AIを活用した訪問介護・看護の効率化サービス・シフト管理・配車手配
  • (従業員向け)AIを活用した介護施設の業務効率化・生産性向上サービス
  • (従業員向け)AIを活用した介護施設の採用支援・働き方改革支援サービス
  • (従業員向け)AIを活用した介護施設の離職防止と教育サービス

競合他社と同じ内容の介護サービスを提供するのではなく、介護美容のように競合他社にはないサービスを提供することが新たな集客への第一歩となるでしょう。

興味のある方は、次のページからお問い合わせください。

お問い合わせ | 喀痰吸引等研修の講習・資格・介護・福祉の研修実績|株式会社プレゼンス・メディカル

まとめ

介護美容とは、高齢者や要介護者を対象に、メイクやネイル、ヘアケア、スキンケアなどの美容サービスを提供し、心身の健康維持や生活の質(QOL)の向上を目指す取り組みです。

この記事も参考にして、ぜひ自分の運営する介護事業所や介護施設でも介護美容サービスを提供してみてください。

※本記事は発表当時のデータに基づき、一般的な意見を提供しております。経営上の具体的な決断は、各々の状況に合わせて深く思案することが求められます。したがって、専門家と話し合いながら適切な決定を下すことを強く推奨します。この記事を基に行った判断により、直接的または間接的な損害が発生した場合でも、我々はその責任を負いかねます。

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後期高齢者対策と医療的ケア対応!

2025年から本格化する後期高齢者対策と医療的ケア対応を視野に入れ、
介護事業の安定経営を実現するためには「認定特定行為業務従事者」の育成・配置が不可欠です。
利用者が安心して暮らせる環境を整えるには、喀痰吸引をはじめとする医療的ケア資格の取得が必須です。
認定特定行為業務従事者を着実に増やすことで、質の高いケア体制を定着させ、介護事業経営の安定と持続的な成長を支援いたします。